中古車高騰と納車整備

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先日は2台中古車を紹介しました。しかし、自分で言うのもなんですが、高いです。2台ともにたくさんの問い合わせやご来店もあり、見積もお出ししましたが、皆さんご家族、特に奥様の説得に苦労をされているようです。もちろん年式・使用等のベースが良すぎるというのもありますので、高いとは言ってもお値段以上の価値はあると思っています。

このところのディフェンダーの高騰のせいでなかなか中古車が入荷していませんでした。以前はそれなりに業者オークションで落札できていたのですが、最近は今まで手を出していなかった中古車屋さんがたくさんディフェンダーを在庫して販売するようになり、その段階で既に価格が大変高くなっています。
オークションで落札したままの状態や、それにちょっと消耗品を交換しただけで販売してしまうと、どういうことになるか、ということが分かっていない中古車屋さんや、売った後の事なんかどうでもいいという中古車屋さんは、けっこうな高値で落札し、大した整備をせず、かなりの利益をのせて販売していて、どうやらそれでも売れてしまうらしく、そういうところは味をしめてまたオークションで高値で落札します。それが繰り返されて価格がどんどん上がります。
しかし、当社は業者オークションに出ている車にそんなに高値は付けません。少し前までは、走行距離が多い車や外装に問題がある車はオークションではそれなりに安く落札で来ていました。当社は主にそういう車を落札し、自社で整備から塗装まで一通りの作業ができ、自社で部品を輸入しているというメリットを活かして、おそらく一般常識からすると常軌を逸した量の部品を交換したり、整備をしても、お値打ちな価格で販売できていました。
しかし、今は外装がボロくても、走行距離が多くても、かなりの値段で落札されてしまいます。そんな状態の物を仕入て、十分な整備をすると誰も買ってくれない金額になってしまいます。
今回入荷した2台は、当社で販売・メンテナンスをしていた車と、直接は整備していたわけではないですが、他の専門店さんでの整備内容を詳細に把握できている車です。そのため、通常より高い金額で査定ができたので買い取ることができました。同じような年式・走行距離であっても、業者オークションにで落札する車とは全く違います。そして状態を把握できているので、既に行われている整備は納車前にしなくていいので、これでも価格が抑えられています。つまり、業者オークションで同じような仕様の車を仕入れて同レベルで仕上げていたら、こんな価格では済まないということです。


ディフェンダーは故障が多いと言われますが、細かいことを気にしなければ、まともな整備をしなくても構造が単純なだけに10~15万kmくらいは何事もなく走ってしまうものです。しかし、さすがにそれ以降は適切に整備しなければ、大きなトラブルが出ますし、何とか走っている状態と、良い状態とでは全く違います。

他店で購入されて、エンジン不調等の不具合や、初回の車検で初めて入庫している車で、状態を確認しようと試運転すると、ブレーキや足回りの状態が酷くて怖いということはは珍しくありません。他にも、Td5でエアフロが壊れていて、全く本来の加速性能が出ていないとか、ブレーキサーボやバキュームポンプが壊れていて、ブレーキがあまり効いていないとか、ABSのポンプが動いていない(警告灯点灯無し)といった、表面に出て来なかったり、車検が通らないわけではない不具合だと、たとえ売る側に不具合を隠すような悪意が無くても、本来の状態を知らないせいで、酷い状態のまま売ってしまっているという事例は本当に多いです。

お客様は言われるのです。「これで普通だと思っていました」と。そして作業後には「これが本来の性能だったんですね」と言っていただけます。

当社は他店で買われた中古車の整備入庫も歓迎しています。
他店で買われて今の状態がどうなのか気になる方は、お気軽にご入庫ください。せっかく買われたのですから、是非一度万全な状態というのを体感していただきたいと思います。

 

良い状態で乗るにはこれくらい内容と費用の整備が必要です。
https://asahimotors.hatenablog.com/entry/2020/01/20/001743
これは5年前の整備内容ですから、現在はこれに加えて、足回りのブッシュ、インジェクターワッシャーなども標準作業になっています。(プラス15万円程)

昨年末に納車した車の整備内容はこちら。
https://www.facebook.com/asahimotors.net/posts/4120351894647993

中古車速報 2021/02/01

久し振りの中古車速報です。
しかも2台。更には高年式Tdiです。

2006MY 300Tdi
チョウトンホワイト
3ナンバー 規制適合
走行 133000km
車検 令和4年6月

2021/02/17売約となりました。

 

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2005MY 300Tdi
チョウトンホワイト
3ナンバー
規制適合
走行147000km
車検2年付

2021/03/07売約となりました。

 

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後期インパネ(2002年以降)のTdiというのがそもそも希少なのですが、この2台は最終モデルになる2005年以降です。2005年から何が違うのかというと、サイドのドアがスチール化します。スチール化すると何が良いのかというと、錆びにくいのです。アルミよりスチールが錆びにくい?と思われるかもしれませんが、アルミドアでもドアのフレームはスチールで、そのスチールと外側のアルミパネルの合わせ目に水が溜まって、フレーム側は錆び、アルミ側には電蝕が発生します。2004年までの車はかなり気を付けていないと、これだけ年数が経てば大抵ドアの下の縁は錆びています。融雪剤が撒かれず、海からも遠い地域の車であれば、気にしていなくてもちょっと錆が浮くくらいの状態で収まっている場合もありますが、雪国、海の近くの車はフレームが崩壊してしまっているような車も多いです。私は中古車を査定するとき、真っ先にドアを開け、下から覗き込みます。
それから、スチールドアは左右のリヤドアの構造上、室内に水が浸入しづらくなっているという進化点もあります。
以前ここでも紹介しました。
https://asahimotors.hatenablog.com/entry/38989837

そう簡単に出てくる車ではないので、高年式Tdiを探されている方はお早めにお問い合わせください。

ルーフキャリア、ルーフテント、ウインチ等が要らないから価格を下げてということも可能です。その逆のウインチだけ、ルーフテント、キャリアだけ売って欲しいというお問い合わせは受け付けません。買われる方が不要だと言われるか、こちらで価格を下げた方が良いと判断した場合は、オークションに出品しますので、そちらで入札してください。

お問い合わせはinfo@asahimotors.netまで。

 

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見積について

 先日、買取査定をさせていただいたときに、お客様とお話をしていて、非常に驚きました。
査定アップの資料として、昨年行われた車検の明細を見せていただいたのですが、その費用が100万円を超えています。
そんなにかけたのに手放されるということは、このご時世ですから、余程急に事情が変わられたのかと思ったのですが、お話を聞くと特に希望してそこまで費用をかけたわけではないということでした。車検に出し、完了して請求書が送られてきたらこの金額だった、と。

絶句しました。「車検終わりました、ハイ100万円ね。」っていうのは通用するものなのでしょうか。入庫時にある程度話し合いをして、「そこまでやったら大体100万円ですよ」っていう話をした上での請求ならまだ分かります。そうではなく、何の書面も、口頭での予告も無く100万円。私は100万円どころか、10万円でも見積もり無しに作業するのは気持ち悪いです。
原因不明の故障で、追及していくうちに費用が嵩んでというのなら10万円程度のことはあるかもしれませんが、その方の場合は車検ですし、100万円の内のほとんどが、やらなきゃやらないでも車検には通る項目ばかりでした。

所謂専門店さんとか外車ディーラーさんってそんなものなのでしょうか。専門店ではない普通の町の整備工場である当社では、ちょっと考えられないことです。
当社は作業前には必ず見積もりを出します。(本当に何も必要なくて基本料金だけで終わってしまうような場合は別ですが。)
当社では、入庫するとまず点検し、見積書を作成して、メールかお電話で連絡し、OKをいただいてから作業を開始します。そのため入庫後に連絡が取れなくなってしまうお客様は、全く作業が進まず、困ってしまいますので、必ず何か連絡が付く方法をご指示ください。
見積は項目ごとに、やらなければ車検に通らないところ、やらなくても車検には通るもののそのままでは安全とは言えないところ、やった方が車のために良いこと、等の説明を付け加えています。

その説明を読んだ上で、最低限で通すか、しっかり整備をするかはお客様が判断されることだと思います。

以下に、以前入庫されたお客様に送った見積もりメールを掲載します。
メールだと、こんな感じのかなりの長文が主に深夜に届きますが、できれば面倒がらずによく読んで、しっかり検討していただきたいと思います。ちなみに、他店で購入され、当社に初入庫の車両です。


お世話になります。
車検の見積もりをお送りいたします。

以下、各項目の説明となります。

1 リヤブレーキパッドの残量がありません。

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また、ピストンも錆び付いてしまっていますので、キャリパーのオーバーホール、ピストン交換も必要になります。
ブレーキ部の説明や写真はここに出ています。
https://asahimotors.hatenablog.com/entry/40160807

 

2 右リヤハブ内にデフオイルが漏れだしてしまっています。

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左はグリス不足で錆が出てしまっています。また、フランジとドライブシャフトのスプライン(歯車)が錆びて摩耗して、ガタが出てしまっています。

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こちらのブログ記事の状態です。
https://asahimotors.hatenablog.com/entry/36672972
左右ともオーバーホールと、シール交換、シャフトとフランジ交換を見積もりしました。1のブレーキと重複する部分がありますので、同時に行えば無駄がありません。

以上は車検を通すだけなら必須ではありませんが、ブレーキパッドは無くなればブレーキが利かなくなりますし、スプラインも摩耗すれば走行できなくなりますので、乗られていく上では必須となります。

3 フロントハブもリヤ左側と同様、グリス不足で錆がありますので、オーバーホールしてグリス給油をお勧めします。
こちらも必須ではありませんが、グリス切れによるベアリングの破損は、更に大規模な修理に繋がるので施工をお勧めします。


4 エアフロセンサーという、エンジンに吸入される空気の流量を検知しているセンサーの調子が悪いです。加速が悪化していますし、息つきをするということでしたので、これが原因かもしれません。交換をお勧めします。


5 エアエレメント(フィルター)が汚れています。

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6 ドロップアームのゴムブーツが破れています。

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車検項目必須です。


7 燃料フィルターがかなり長期間、(もしかしたら新車時から)交換されていません。

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横に付いているエア抜きバルブと合わせて交換をお勧めします。


8 エンジンの上部よりオイル漏れがあります。

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オイル漏れ自体は特に問題は無いのですが、漏れたオイルがオルタネーター(発電機)やスターターモーターに垂れて壊してしまうことがあるので、ガスケット交換をお勧めします。
更にガスケットを交換する際に、その奥にあるインジェクターのワッシャーを交換することをお勧めしています。
https://asahimotors.hatenablog.com/entry/38406489
インジェクターワッシャーまで交換すると6万円くらいですが、ガスケット交換だけでしたら2万円程度です。


9 ラジエーターのアッパーホースから漏れがあります。

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エンジンとの接続部ですので、ホースバンドを締め付けられるものに交換すれば止めることができるかもしれませんが、ホースのゴム自体も縮れたように劣化しているので、ホースごと交換をお勧めします。

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バンド交換だけでしたら工賃と冷却水の交換も含め、1万円程度です。


10 足回りのブッシュが劣化してきています。

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一式交換するとかなり高額になりますので、余裕があればでいいかと思います。ただし、ステアリングダンパーだけは完全にブッシュが崩れていますので、最低限ブッシュだけでも交換は必要です。

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ブッシュだけの交換なら2千円程です。


11 燃料タンクのエア抜きホースに亀裂があります。

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タンク側は見えませんが、給油口側がこうなっているということは、タンク側も同じようになっているか、近いうちになる可能性が高いです。満タンにして走行すると経由の臭いがするようなことはないでしょうか。ホース交換をした方がいいですが、交換するためには燃料タンクを降ろす必要があるので、工賃がそれなりにかかります。現在特に漏れはないのであれば、今後燃料ポンプが壊れるなど、タンクを降ろす作業をする時まで見送っておくのも良いと思います。


12 デフ、ミッション、トランスファのオイルも交換履歴がありませんでしたので、見積しました。エンジンオイルもステッカーからすると2年間交換されていないようなので、フィルター二種類とともに見積に入れました。

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それでは、今回どこまで作業されるかご検討ください。

よろしくお願いいたします。

年末年始休業のお知らせ

誠に勝手ではございますが、下記の日程にて休業させていただきます。

12月30日(水)~1月5日(火)

 

尚、28日は定休、29日は工場内設備清掃・メンテナンスのため、整備作業は行いませんので、年内最終の通常営業は27日となります。

お客様には大変ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解のほど、お願い申し上げます。

車検について

 車検時、特に今まで他の業者さんで車検をされてきて、初めて入庫される方はご注意をいただきたいのですが、当社は違法状態の車両の車検を通すということは一切行っておりません。また、違法状態の車を、検査の前に合法状態にして検査後に元に戻すということも行っておりません。
 当社は自社で検査を行う指定工場です。認証工場や認証工場でもないショップでは、持ち込み検査前に合法状態にして、検査後に元に戻してお返しするようなことをやっているところもあるのかもしれませんが、当社は自社で検査をするので、そんなことをするなら、ペーパー車検をしてるのと同じことです。違法状態の車の入庫拒否とは言いませんが、車検前に合法状態にさせていただき、車検後には合法の状態のままでお返しします。

 違法状態を意識せずに車検に持ち込まれてトラブルになることもよくあります。前回まではこれで通ったと言われても、それは前回に出されたところが目を瞑って通してくれていたり、見落とされて通ってしまったものなので、ダメなものはダメです。何とかしてくれと言われても、違法行為はできませんのでご了承ください。


以下、その事例の多いものを挙げますので、当社に車検を依頼される場合は、このような状態になっていないかをご確認ください。


1 ホイール&タイヤ
 
アルミのホイールで、車検に合格できるのは純正か、又はJWLのマークがあるものです。また、1ナンバー車に履かせる場合は、JWL-Tという貨物車対応のホイールが必要になります。

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ご注意いただきたいのは、このマークはアルミ製のホイールにしかありませんので、スチールホイールは関係ありません。以前、当社が販売した車を地元で車検に出したところ、JWLが無いから通せないと言われたということを聞いたことがありますが、その車が履いているのはモジュラーでした・・・

それから、タイヤのはみ出しにもご注意ください。最近の規制緩和で、3ナンバーは10mmまではOKとなりましたが、1ナンバー変わらず、1mmでもはみ出していたらアウトです。
よく問題となるのがモジュラーのホイールですが、これは同じようなデザインでもオフセットが違うものがあります。オフセット0のものは、235のタイヤを履くと僅かにはみ出しますので、1ナンバーには適合しません。ご注意ください。
それから、理論上はツライチに収まるはずでも、車の個体差、オーバーフェンダーの歪み、足回りのブッシュの劣化等で微妙にはみ出してしまうこともあります。そうなっている場合は、何らかの対処が必要になります。


2 シートベルト警告灯

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3ナンバーの輸入車の場合、平成7年4月以降に製造された車にはシートベルトを装着していない時に音やランプで警告を出す装置が必要になります。以前はこれについてのチェックが甘かったので、新車時の検査も無しで通ってしまい、その後も指摘されずに通ってきてしまっている車が多いです。それが何年か前から重点的にチェックされるようになりました。これが付いていない車は、後付けの回路を取り付けなければ車検に合格できません。

 

3 直前直左ミラー(カメラ)

これは2007年以降の車に必要です。これも以前はチェックも緩かったので、無いまま販売されてしまっている車が多かったです。それが大問題となり、チェックが厳密化され、更には取り付け方法にも非常に厳しい規定が儲けられるようになりました。販売店さんが新車販売当時にそれで通るということで付けていた追加ミラーでも、現在では通らなくなっていることもあります。特にディフェンダーは要注意車両と認識されているらしく、持ち込み検査ではかなり厳しく見られます。
なお、当社はこういう点で不正に通したと言われることを避けるため、初入庫されたり、前回の車検入庫時から関連部品の状況が変わっているTDCiについては車検場への持ち込み検査を行っています。
ミラー、カメラが付いていない、もしくは付いていても、持ち込み検査で落とされる状態の場合は、改善をさせていただきます。


4 キャンピングキット

90年代は、3ナンバーを取るのが難しかったのと、8ナンバーに税金的なメリットがあったので、キャンピング登録されている車が多くなっています。一部の販売店では、8ナンバー車であっても、キャンピングキットを付属させず、車検時にキットを貸し出して通しているようなことをしていました。または、不正を行う指定工場で、キット無しで通していたのかもしれません。当社はそういう事は致しませんので、8ナンバーの場合は、必ずキャンピングキットをご用意ください。キャンピングキットもただベッドやコンロやシンクなどが置いてあればいいというわけではなく、ベッドサイズや就寝可能人数、タンク容量など、細かく規定がありますので、それに対応しているものが必要です。

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5 座席数

TDCiで7人乗り登録なのに3rdシートを外してしまっている、5人乗り登録なのにセカンドシートも外してベッドになっているという状態では車検は通りません。必ず、規定人数のシートを取り付けてからご入庫ください。


6 ドッグガード

ドッグガードは便利装備ではありません。荷室とシート部を分ける仕切りとして貨物車の車検には必要なものです。これが邪魔だからと外して、処分してしまっている方がいますが、車検に通せませんので、必ず取っておいてください。もしすでに処分してしまったという場合は、純正である必要はありませんので、ホームセンターなどで似たようなスチールネットでも取り付けてもらえれば通せます。


7 ヘッドランプ
LEDのバルブや、レンズごと交換するものがありますが、これも車検に通らないことがあります。車検対応と書いてあっても、確実に車検が通ることを保証するものではありません。

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バルブは、さすがにPIAAとかIPF等の有名メーカー物は大丈夫であることがほとんどですが、使用するレンズとの相性もあります。安物については全く信用ができません。色と光量は車検の合格ラインに達していても、カットオフラインが全く出ていないものが多いです。レンズごと交換するタイプのものは、光を撒き散らしているので、運転していて明るく感じるものでも、本来照らさなければいけない部分、つまりテスターで測定される部分には十分照射しておらず、結局光量不足というものもあります。

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こういう点はどんどん改良されていくので、安くても大丈夫なもの出てきているのかもしれませんが、メーカー不明のLEDヘッドランプにされている方は、念のため純正品を持ってきていただいた方が良いかもしれません。(不合格で純正に戻した場合、車検後は純正のままでお返しします。)


8 その他灯火類
車のランプ類には結構厳しい規定があります。ランプの位置、色、点灯条件等です。それも年式によって基準が変わりますので、かなり複雑です。それでも、よく車検の時に指摘させていただくことを挙げておきます。

ルーフのランプ 
これは基本的には作業灯の扱いとなり、走行中に点灯できる状態であるのは違法です。地域により多少解釈に違いがありますが、運転席から操作できない位置にスイッチを付ける、サイドブレーキがひかれている時だけ点灯可能なような回路を組む等の取付をする必要があります。

フォグランプ
これはかなり複雑な規定があります。
平成18年生産の車になると、最外側から40mm以内という規定ができてきますので、昔の4WD車のスタンダードとも言えるこういうフォグの取付が違法となります。
それから、フォグ単独点灯はダメ、点灯時は社内にも点灯を知らせるランプが必要という規定もあります。
古い車両二はこの規定はありません。
さらにフォグランプが4灯同時点灯できるのも違法です。バンパー埋め込みフォグが4灯付いている車がありますが、これは切替スイッチを作り、2灯ずつの点灯にする必要があります。

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バックランプ
バックランプは1灯であれば左側、2灯であれば左右対称という規定があります。ディフェンダー(右ハンドル)は右側はバックフォグになっていて、バック時に暗いということで、クロスメンバー下などにLEDの追加ランプを付ける方がいるのですが、これも違法です。それから、左ハンドル車はノーマルでは左がリヤフォグ、右がバックランプですが、これでは違法なので入れ替えるか、リヤフォグを無くして左右バックランプにする必要があります。


9 オーバーフェンダー
オーバーフェンダー自体は違法部品ではないのですが、オーバーフェンダーを取り付けることによって車幅が変わりますので、構造変更をするために持ち込み車検が必要になります。ご存知ない方が多いのですが、構造変更をするためにはその車のナンバーの車検場に行く必要があります。他の地域の車は豊橋ではできないのです。例えば、品川ナンバーのお客様の構造変更をするためには、品川の車検場に持ち込む必要があります。費用をいただけばできないことは無いですが、相当な金額になってしまいますし、万一何かあって一回で合格できなければ、もう一往復するようなことにもなりますので、基本的にはお断りしています。(どうしてもと言う場合は、一旦抹消して豊橋で予備検査を受け、再登録するという方法は可能です。)

それから、これも勘違いされている方が多いのですが、全長、全幅、高さが変わったら必ず持ち込み検査が必要かと言えば、そうではありません。指定部品というものがあり、それに該当するものを取り付けることによって変更があっても、継続車検の場合は手続きは不要です。ルーフキャリアやグリルガードなどはこれにあたりますので、車検の時に取り外さなければならないのかと聞かれますが、そんなことはありません。


10 ナンバー区分
これはかなり特殊なケースなのですが、まず、一つ目がピックアップ車で3ナンバーになってしまっている車です。これも、車検時に荷台のアオリを外し、荷台全体に斜めに蓋をすることで「荷物が積めない」ということにして3ナンバーにしてあったようです。殆どがそんな状態では乗られていないでしょうし、そうなっていたとしても合法かどうか非常に微妙なので、もしその状態で車検入庫された場合は、持ち込み車検で運輸支局の判断を仰ぎます。

それから4ナンバー化です。ディフェンダーもオーバーフェンダーを外し(もしくはカットして全幅を小さくして)、ローダウンをすることで4ナンバーにすることができるようです。その状態のまま乗られているのなら何の問題もありませんが、元に戻してオーバーフェンダーを付けてしまえば、車検は通せないことはないですが、先に書いたように構造変更の持ち込み検査をして再度1ナンバーとして登録することになります。


以上のように列挙しましたが、細かい点はまだたくさんあります。
もし不安な場合は入庫前に写真を送っていただければ、外観からわかる点についてはご回答いたします。遠方から来られて、当社では車検に通せない車だということになると無駄足になってしまいますので、心配な方はご相談ください。

夏季休業のお知らせ

誠に勝手ではございますが、下記の日程にて休業させていただきます。

8月9日(日)~8月17日(月)

17日月曜は定休となりますので、ご注意ください。
上記期間中のお問い合わせへの回答、部品の発送などは18日以降となります。

お客様には大変ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解のほど、お願い申し上げます。

ディフェンダー110 ダブルキャブピックアップ 限定車 全塗装レポート(5)

それでは完成です。
まずはビフォアから。

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遠目にはそれほど酷い状態には見えませんが、近付けば塗装の劣化、錆などが目立ちました。

アフターはこちら。

 

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作業内容は以下の通りです。

全塗装 ジャバブラック → ケスウィックグリーン
全ドアパネル交換
左右フロントフェンダーサイドパネル交換
各チェッカープレートボディ色塗装
フロントバンパー交換
フロントグリル ヘッドランプパネル艶有ブラック塗装
ルーフパネル補修
各ボディパネル補修
フロアパネル・サイドシルインナーパネル腐食補修
ホイール2組塗装
リヤクロスメンバー塗装
全ガラスゴム交換
スライドガラスフェルト交換
ロールケージ撤去
リヤステップバンパー撤去

それから、紹介はしていませんが、水回りとパワステのホース・配管、ウォーターポンプパワステポンプ、ヒーターコアなども交換させていただきました。

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こういうエンジン回りの作業も、ボディを分解したついでに行えば費用が安くできる場合がありますのでお勧めです。

お預かり期間は3月初旬から4月末までの約2ヶ月、ただし、3月はほぼ部品待ちでしたから、実際の作業は3月末から着手しています。

ディフェンダーの場合、全塗装のお預かりは特別に酷い状態でなければ1ヶ月程度、今回のようにパーツの取り寄せなどがあれば2ヶ月程度となります。事前にご来店いただいて、あらかじめ部品を手配しておくことができればパネル交換があっても1ヶ月程度で大丈夫だと思います。
ただし、フレームまで腐食があったり、バルクヘッドなど通常本国にも在庫が無いようなパーツの交換が必要になった場合は数ヶ月というお預かりになることもあります。

現在、全塗装は予約制になっており順番待ちとなっておりますが、最近の状況でキャンセルや延期、車を売却してしまったという方があったこともあり、一時期ほどではありません。現在、順調に行けば半年程度、状態の悪い車が何台かあったとしても、1年は待たずにご入庫いただけると思います。

お問い合わせはinfo@asahimotors.netまでお願いいたします。