中古車速報 2021/08/20

中古車速報です。
休み明けからずっと雨で、やっと写真が撮れました。

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2002MY DCPU BLACK限定車
走行 289000km
NOX/PM不適合

東北で使われていた車です。
雪国だと錆が気になるのですが、しっかり整備されている方はフレームについてはかなりしっかり防錆をされるため、意外と雪国でもきれいな車が多いです。
しかし問題はドアで、どうしてもドア内部に融雪剤が侵入して錆を発生させてしまいます。ディフェンダーのドアはアルミでは?と思うかもしれませんが、実は2004年モデルまでドアのフレームはスチールで、そのフレームにアルミの表面パネル(ドアスキン)を巻き付けてあるような構造になっています。ちなみに、2005年以降はスチールの一体成型で、こちらの方が錆びにくいです。
さて、この2004年モデルまでのドアスキンとドアフレームの合わせ目に融雪剤を含んだ水が溜まるようで、ドアフレームが錆びますし、その錆びたフレームと接触しているドアスキンに電蝕が出てきます。
雪国の使用で、このドアフレームの錆と電蝕を発生させないようにするというのはなかなか難しく、ノックスドールのような強力な防錆剤を内部に定期的に注入してやるくらいしかありません。

この車もフレームについては問題ありませんが、ドアにはやはりかなり錆が出ています。特にリヤドアが酷いです。

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ドア4枚交換して販売を基本としようと思いますが、ドアって1枚10万円では買えませんので、その分車両価格は高くなります。
錆びてはいるものの、使用上で困るようなことはまだまだ先の話ですから、「ドア交換無しで」や「リヤドア2枚だけ交換」というのもご要望に応じます。
その他、外装の主な不具合は、ボンネットの塗装劣化、フロントバンパーの曲がり、左リヤクオーターの緩やかな歪みといったところです。

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リヤクォーターは多分言われないと分からないくらいのものなので、そのままですが、ボンネット再塗装、フロントバンパー交換は行う予定です。ただ、これもご要望に応じます。


お問い合わせはinfo@asahimotors.netまで。

夏季休業のお知らせと早期入庫予約のお願い

誠に勝手ではございますが、下記の日程にて休業させていただきます。

8月8日(日)~8月16日(月)

7月に入ったばかりだというのにこの告知というのには訳があります。

 

現在、作業の予約状況がかなり逼迫しています。現時点で、休み前の作業受け入れの余裕はほとんどありません。あと数台というところです。

連休で稼働日数が少なくなるので当然と言えば当然ですが、最近は長期休業、繁忙期関係なく、いっぱいであるのが常態となっています。

これは、急激に販売台数が増えた2012年以降のモデルが10年が近づき、そろそろメンテナンスが必要な時期に来ているということだと思われます。聞いた話では、TdiとTd5を全て合わせた販売台数と、2012年以降のTDCiの販売が同じだということです。

当社はあまりTDCiモデルを販売していませんが、他店で購入された車の入庫がどんどん増えています。並行輸入車であることからディーラー等で断られるのと、対応する診断機等の設備が無いと、細かいところまでメンテナンスができないせいで、それがある数少ない整備工場に入庫が集中するのでしょう。これは今後増えることはあっても減ることは無いでしょう。

当社でもスタッフを増強してそれに備えてはいますが、まだまだ不十分です。突然走行不能になるような故障はどうしようもありませんので、優先的に対応させていただきますが、車検・点検・緊急性のない不具合の修理などはできるだけ早めにご入庫の予約をお願いいたします。

目安としては2~3週間以上前、代車が必要でしたら1ヶ月以上前にお願いいたします。

昨今のディフェンダー中古車事情について(3)

昨今のディフェンダー中古車事情について - asahimotors’s blog (hatenablog.com)

昨今のディフェンダー中古車事情について(2) - asahimotors’s blog (hatenablog.com)

 

 それでは、各エンジンごとの現時点での相場感です。(価格は2021年6月現在のものです)かなり私の主観も入っており、なるべく最近の相場に慣れるようにはしてきているのですが、まだ納得できていない部分もあり、若干低めかもしれません。また、この記事を書き始めたのが、5月末でしたが、この1ヶ月で更に上がった気もします。それを考慮してお読みください。

300Tdiエンジン

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1995年~2006年(モデルイヤーなので実際は94年9月~)と長期間搭載されたエンジンですので、相場としては広くなりますが、現在の状況だとまともな状態のものであれば、古くて30万kmくらい走っていても400万円を切ることは無いと思います。
300Tdi以前の車は全て並行輸入車ですが、2006年以前の並行輸入車の場合、輸入してきたときの重量などの条件にもよりますが、排ガス規制(NOX/PM規制)が適用除外のような扱いとなり、規制適合扱いとなっている車がほとんどです。(90の場合は重さの関係でちょっと無理をしないとできなかったようで、不適合も多い)そのため、一般的な車と違い、正規輸入車より並行輸入車の方が価値があることになります。それに加えて、Tdiは電子制御が無いことから、整備がしやすい、部品が安いというメリットがあることが知れ渡ってしまい、非常に人気が出てしまいました。ただし、価格に関して言えば、現在の相場はエンジンの違いなんて全く理解していない中古車屋さんが何でも買い集めることで形成されてしまっているので、Tdiでも正規Td5でもほとんど変わりないように思います。それでも、Tdi限定で探している方は多いので、入庫したら売約となるのはTdiの方が早いです。
当社の販売価格としては、ある程度内外装がまともな状態で、走行距離問わずという条件で、90年代のもので500万円~、2002年以降の後期インパネのものであれば600万円~、それで走行距離が少なければ750万円以上になる場合もあると思います。

 

Td5エンジン

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99年からのランドローバーがBMW傘下にあった時期のBMW製のエンジンです。2002年から2004年の正規輸入車は全てこのエンジンが搭載されています。型式は2001年までの10P、2002年からの15Pがあります。ヨーロッパの排ガス規制対応のために15Pになったようなので、体感上10Pの方がパワーがあるという意見もありますが、大差は無いと思っています。正規輸入車は基本的には1ナンバーの貨物車で、NOX・PM規制不適合になります。正規輸入車にはこれを1ナンバーのままで規制適合改造したもの、規制適合した上で3ナンバーしたもの、規制は不適合のまま3ナンバーにしたものがあります。時々、3ナンバーにすれば規制適合になると思っている方がいますが、3ナンバーは流入規制の対象外になるだけで、NOX/PM(登録)規制適合になるわけではありません。登録規制地域外で登録してあれば、流入規制のある地域に乗って行けるようになるだけで、登録規制地域で登録できるようになるわけではありません。何度も書きますが、登録規制と流入規制は別物であることにご注意ください。
Td5エンジンの車の相場ですが、Tdiの方がマニア人気があるというか、Tdi限定で探されてる方が多いものの、実際として高騰が行くところまで行ってしまってる感もあり、後述するTDCiの相場が上限になるので、どちらでも大差が無いと言えます。それでも、Td5は99年以降、数の多い正規輸入車は2002年以降ですから、Tdiよりは新しい車が多くなります。99年~2001年は並行輸入車で規制適合車がほとんどなので価値が多少高く、2002年以降の不適合1ナンバーの正規輸入車と同等で550万円~、2005年以降の最終のモデルで距離が少なければ750万円以上にもなると思います。
それから、価格的には大差は無いと書きましたが、正規輸入車で、1ナンバー車のNOX/PM規制不適合車については、NOX・PM規制地域外にお住まいで、関東や大阪の流入規制地域にも乗っていくことが無い(もしくは違反を気にしない)という方しか買えなくなりますので、競争率が下がります。そのせいか3ナンバーの適合車に比べれば、即売約ということにはなりにくかったのですが、今は変わりないのかもしれません。

 

TDCiエンジン
2007年から2011年の2.4L、2012年からの2.2Lがあります。
新車販売当時、2006年までの排ガス免除がなくなったので、日本への輸入が大変になり、それまでの車に比べて台数が極端に少なくなりました。
その後2012年に純正DPFが搭載され、ガス検が通しやすくなったのか輸入量が急増しました。台数が増えてノウハウができたせいか、2.4も中古で結構入って来るようになったようです。この年式からは免除の規定がなくなって、NOX/PMより厳しい輸入時の排ガス検査をパスしていますので、全てがNOX/PM適合車になります。時々、排ガス規制が必要ない地域なので、排ガス検査なしでイギリスにある車を輸入してもらえませんかという問い合わせがあるのですが、そういうわけにはいきません。
TDCiのメリットとしては、高速走行性能のアップ、セカンドシートの快適性アップ、サードシートが何とか使えるようになった、クーラーではなくエアコンになったというような点です。
デメリットとしては高性能化に伴う複雑化で、整備が大変になったことに尽きると思います。同じ並行輸入車であっても、Tdiは整備に専用診断機などは必要が無いですし、Td5は正規輸入車があったので、受け入れてくれるディーラーであればメンテナンスが受けられますし、時々ヤフオクなどでディーラーの日本語整備書なども流出(違法コピー?)しているので、やる気のある整備工場さんであればかなりのところまで整備ができると思います。それに対してTDCiは日本語整備書がありません。英語整備書を読んで整備してくれる一般整備工場さんはかなり少ないと思いますので、その時点ハードルが上がります。
それに加えて、TDCiからは部品交換後の設定(キャリブレーション)等、専用診断機が無ければどうにもならない整備が格段に増えます。コンピューターが何か異常を感じると、すぐに警告灯を点灯させたり、安全モードに入ってしまって加速しないようにしたりすることもあり、性能が良いのも善し悪しがあります。
そして、知っている限り、こういう事に一通り対処できる専用診断機を持っているショップは国内に数件、そのうち半分くらいは他店で購入した車の入庫に対してはかなり冷たいようです。ディーラーさんの診断機はもちろん使えるのですが、並行輸入車を受け入れてくれるところは少なく、受け入れてくれるところでも、やはり英語マニュアルを読んで整備というのはなかなかしてもらえないようで、ごく簡単なこと以外は断られてしまうことが多いと聞いています。
中古車では、この年式になると、新車から日本で乗られていた車両には極端に状態の悪い車というのは少なくなります。2.4(2007年~11年)はそれなりの車もありますが、そもそも新車から国内で乗られていた車の数が少ないです。TDCiになると800万円くらいから、走行距離の少ないものは900万円くらいからではないかと思います。中古並行物なら状態等に応じてもう少し安いものもあるかもしれませんが、購入するショップは慎重に選んでください。当社は基本的にはTDCiは在庫しませんが、ご希望があれば注文販売は受付させていただきます。

 

以上がディーゼル車の相場ですが、ガソリン車もあります。と言っても110のガソリン車は少なく、国内にあるガソリン車はほとんどが正規輸入の90です。
正規輸入の90はV8のATで、ディーゼルマニュアル車が基本のディフェンダーの中で、限定車の扱いになります。正規90には北米仕様の左ハンドルと、50周年記念の右ハンドルがあります。ディーゼルに比べれば自動車税も高く燃費も悪いので、10年くらい前まではかなり不人気で、150万円もあれば買えた時代がありました。しかし、海外特に北米で人気が出てしまい、まず北米仕様でそのままあちらで登録できるらしい左ハンドル車が高騰し、その数が少なくなると右ハンドルまで価格が上がりました。右ハンドルでも登録できるようになる25年ルールの適用を見越しているのかもしれませんが、最近は下手をすれば110よりも高くなってしまいます。国内でもディフェンダー人気が高まったことから、多少燃費が悪くてもATで気軽に乗りたいという需要が高まったのもあるかもしれません。90V8は98年~2000年ですが、価格としては500万円~というところだと思います。
90V8の注意点としては、限定車であるだけに絶版部品がそこそこあるということです。TdiやTd5の場合、例えランドローバーが供給終了にしても、台数が多いだけにどこかの社外品メーカーが部品を供給し続けてくれるはずです。しかし、限定車の場合は需要が無いので、ランドローバーが供給終了にしてしまうと、他モデルの部品を加工して流用したり、ワンオフで製作したりという手間が出てきます。今後、特にそういったノウハウが必要になってくると思います。90V8も、積極的には在庫していませんが、ご希望があれば注文販売は可能です。

 

また次回に続きます。

 

昨今のディフェンダー中古車事情について(2)

前回分

昨今のディフェンダー中古車事情について - asahimotors’s blog (hatenablog.com)

 

前回書いたようなことを踏まえて、最近のディフェンダーの中古車事情について書いていきますが、はっきり言って今の相場は高すぎます。
当社が基本的には在庫販売していないTDCiはもちろん、Tdi・Td5の値上がりが異常で、走行距離が少なければ当時の新車価格を遥かに超える金額で販売されています。人気があるものが高くなってしまうのは世の中の仕組みとして仕方がないのですが、20年ディフェンダーに携わっているものとしてはどうなっているんだろう?と思ってしまいます。

まず、仕様ごとに現在の相場感を書いていきます。(価格は2021年6月現在のものです)

古い方から順に。

Tdエンジン 
相場を語れるほどの台数は国内に無いと思いますし、古いので状態次第です。見たことは無いですが、しっかりレストアしてあれば、Tdiと大差ない金額にはなると思います。

200Tdiエンジン
これも台数が少なく、相場云々は言えません。年式が古い分、300Tdiより少し安いくらいだとは思います。


300Tdi&Td5&TDCi

ここからが中古車市場の主流のモデルになります。が、エンジンごとに説明する前にエンジンに関係のない年式による変更や、その他仕様の違いについて先に書きます。

ボディ等
300Tdiは94年から2006年まで、Td5は99年から2006年までと並行して生産されていました。
後述しますが、エンジンの差の他に、年式によって内外装等に若干改良が入るので、そのタイミングで価値が変わってくると思います。
まず、99年のTd5のリリースから、Tdiも含め燃料タンクが樹脂になりました。その次は2002年以降でインパネのデザインが変わるのと、バックドアがスチールになります。ここからパワーウインドウと集中ロックがオプションで選べるようになりました。特に集中ロックは2001年までのタイプのバックドアだとアクチュエーターを仕込むスペースが無いので、集中ロック化が大変困難です。また、ディフェンダーのドアの錆は大抵スチールのフレームとアルミのスキンの間に水が入り込むことで発生してくるので、全てスチールでできているものの方が錆びにくくなります。ということで、2002年以降がちょっと価値が高くなると言えますが、インパネの雰囲気は旧タイプの方が良いという方が多いように思います。次の変更点が2005年です。ここでサイドドアもスチールになります。これでかなり錆に強くなっています。クォーターのスライドウインドウもこの年式からリベット取付から接着式になります。これについては善し悪しで、脱着が非常に大変になり、フィルム貼り等、脱着を伴う作業の費用が上がってしまいました。
最後に2007年以降でモデルが大きく変わります。エンジンがTDCiになってエンジンの上下幅が大きくなったのに伴い、それを避けるためにボンネットの中央が盛り上がりました。内装も大きく異なりインパネ周りはかなり現代風になり、セカンドシートも幾分マシに、サードシートは前向きになりました。そして、クーラーではなくエアコンになって温風冷風が全ての吹き出し口からでるようになり、エアコン無し車であっても外気導入が可能になったせいか、ベンチレーターが撤廃されました。大きな雨漏りポイントがなくなったわけですが、これをディフェンダーのアイコンととらえていた方にとっては非常に残念な変更です。

以上が、エンジン以外の内外装等の年式による変更点となります。

ナンバー
ディフェンダーには1・3・8と場合によっては4ナンバーがあります。

1ナンバーは税金が安いと思い込んでいる方がいますが、それはアメ車やランクルのような大排気量の車の場合です。ディフェンダーディーゼル車は全年式で2500cc以下ですので、3ナンバーでもそれほど自動車税は高くありません。1ナンバーは確かに自動車税が安いですが、自賠責保険料は高くなりますし、高速代が高くなる、ETCの休日割引がなくなる、任意保険でも限定条件が付けられなかったりといったデメリットがあるので、3ナンバーの方が価値があると言えます。少なくとも、現在3ナンバーであるものをわざわざ1ナンバーにする意味はありません。それから、3ナンバーは関東と大阪の流入規制の対象外となるというメリットもあります。排ガス規制はNOX/PMの登録規制と、各自治体の流入規制(通行規制)があり、別物です。登録規制のない地域の方でも、流入規制は関係ない訳ではなく、規制不適合の1ナンバー車では、流入規制のある地域に乗り入れることは条例違反となります。例えば、静岡で登録してある規制不適合の1ナンバー車で、お隣の神奈川県に乗り入れるのは不可です。これは知らずに乗り入れている方も多いですし、自家用車が摘発されたというのは聞いたことがありませんが、違反であることは間違いないので、ご注意ください。
そういうことなので、正規輸入車は基本的には1ナンバーで排ガス不適合ですが、3ナンバーに変更してある車は、例え規制不適合であっても価値が高いことになります。そして、正規・並行に関わらず、3ナンバーのNOX/PM適合車というのが最も価値があるということが言えると思います。そして、最近3ナンバー化ができなくなってしまったので、その傾向はさらに強まっています。

8ナンバー福祉車両などで登録していない限りキャンピング車だと思います。8ナンバーは昔のように税金上のメリットはあまり大きくありませんが、それでも重量税は若干安くなっています。しかし、8ナンバーはその要件をしっかり満たしていればこそです。どうも昔のいい加減な輸入時の審査状況で、本来要件を満たしていない8ナンバー車が多いようです。エアベッド・カセットコンロ・ポリタンク等が荷室に転がしてあるだけ、場合によってはそれすらも無い状況で中古車が販売されてしまっている事例が多くあります。そういう車は、各ショップさんがキャンピングキットを持っていて、車検の時にそれを貸し出して通していた、またはペーパー車検のようなもので通していたということのようですが、当社ではそういう事は絶対に行いません。
違法キャンピング車は合法状態にして販売や車検を通させていただきます。しかし、中にはどうやっても合法状態にできないものもあります。乗車定員を減らさなければならないような場合ですが、乗車定員を減らすような構造変更をする場合、現行のキャンピング車の要件を満たさなければならなくなってしまいます。しかし、現行のキャンピング車の要件は室内高の要件が追加されたり、ポップアップルーフでもない限りディフェンダーではクリアできなくなってしまいました。そうかといって、先述のように3ナンバーに変更することもできなくなりましたし、1ナンバーも難しいようで、合法的にはどうにもならないということになってしまいます。(その車が過去に1・3ナンバーであった履歴があるのなら戻すことはできます)
そういうわけで、8ナンバーの車の購入は十分に気を付けてください。当社では当然ながら合法のものしか販売しません。

4ナンバーは非常に特殊です。基本的には貨物登録すると1ナンバーになるはずなのですが、ローダウンして車高が200cmを切り、オーバーフェンダーをカットするか、幅の狭いものに付け替えて車幅を170cm以下にすることで、4ナンバーを取ることができるようになります。4ナンバーは先述の1ナンバーのデメリットが無くなるので、非常に良いように思えます。しかし、4ナンバーを取った後でまたオーバーフェンダーを元に戻してしまえば違法になってしまいますので、車検に通せなくなります。車検の度にオーバーフェンダーを戻せばいいというものでもないので、購入を検討する車が4ナンバーであったらご注意ください。


さて、ここからがエンジンごとの違いですが、また長くなるので次回にします。

昨今のディフェンダー中古車事情について(3) - asahimotors’s blog (hatenablog.com)

昨今のディフェンダー中古車事情について

最近、中古車の問い合わせが非常に多いです。毎日のように問い合わせをいただいています。現在は自社のホームページにもカーセンサーにも情報掲載していないにもかかわらずです。これはカーセンサーに数台掲載していた時よりもはるかに多いですから、ディフェンダーの人気が上がってきているのを感じます。

何故情報掲載しないのかと言えば、在庫がないからです。

前にも書いたかもしれませんが、中古車の入庫はFACEBOOKで速報を出します。

https://www.facebook.com/asahimotors.net/

買取にいったら帰り道のサービスエリアや道の駅、店頭で引き渡しのものは直後に情報を出します。探されている方は、ページをフォローして、条件に合うものが掲載されたらお早めにお問い合わせください。
「こんな仕様の車が入荷したら連絡してもらえますか?」という問い合わせも多いのですが、それは行っておりません。希望される方が多すぎて、どなたから連絡するかで不公平になってしまうからです。

それから、当社は基本的には整備工場で、販売がメインではありません。よく販売メインのショップさんは、他店で購入した車の整備はしないとかいうこともあるようですが、当社は他店さんや個人売買で購入された車でも歓迎いたします。ただし、国内相場の高騰のせいか、最近目に付くようになった中古並行車(イギリス等海外で使われていて日本に持ってこられた車)はちゃんとしたところで買わないと本当に危険です。イギリスではディフェンダーは〇ポンドで売ってるのに、日本の業者は〇百万円で売ってる、どれだけボッタクっているんだというようなネットの書き込みを時々見ます。

これは認識が甘いとしか言えません。
当社はずいぶん前に中古並行から手を引きました。なぜなら、国内に新車時からある車と同等の状態に整備してから売ろうとしたら、利益が無いどころか100%赤字になるからです。この赤字になるというのも甘く考えてはいけません。整備から鈑金塗装から部品の輸入まで全て自社で行う当社で割に合わないのですから、他で合うわけがないと思っています。個人的には50万円でも要らないと思うような車が400~500万円でネットオークションで売れてしまっているのを見ると、これを買った人はどうするんだろうと心配になります。

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断言します。単純な年式と走行距離だけではなく、状態を加味すれば、日本の中古車市場はディフェンダーが世界一安いと言っていいと思います。特に10年以上経過した車に関しては間違いありません。もっとも、ここ1年程の急騰で多少怪しくはなってきましたが、輸入コストまで考えれば、海外から中古車を持って来ても割には合わないと思います。古い中古並行車は、国内市場で探すことが困難な仕様の車が欲しい場合とか、全てを覚悟の上で、自分でコツコツ仕上げていきたい場合を除いては、本当にお勧めしません。

それから、中古並行に関連して、最近何度か相談を受けましたが、年式による仕様の違いを良く把握してから購入を検討した方が良いです。エンジンはここをブラウザの翻訳機能でも使って読んでいただくと分かりやすいです。

en.wikipedia.org

国内で主に流通しているのは、ディーゼルはTd(ディーゼルターボ)、200Tdi、300Tdi、Td5、2.4TDCi、2.2TDCi、ガソリンはV8キャブ、V8EFIです。
この中で、あまり知識と覚悟、詳しいショップのサポートが無い状態で買われるなら、ディーゼルは200Tdi以降(できれば300Tdi以降)、V8はEFIにされた方が良いです。
Tdiは正規輸入でディスカバリーがありましたので、国内に部品も豊富ですし、エンジンについては日本語の整備書などもありますので、一般の整備工場さんでもその気になれば整備するのにさほど困ることは無いと思います。Td5も正規輸入がありましたので、同様です。ガソリンのEFIも同じです。TDCiはまだ新しくて、それほど壊れません。
問題なのはTdとV8キャブです。最近相談を受けたのもこの2種でした。まずV8キャブですが、アナログなだけに何があっても乗り続けられるというのは良いのですが、やはり好調を維持するのは大変です。デスビを始めとする電装周りに加えてキャブのメンテナンスも加わるわけですから、かなり大変になります。
それから、Tdエンジンですが、これに関しては国内の流通台数が少なすぎです。当社では今まで一台も入庫したことがありません。20年近く前に、一台だけボロボロの車を仕入れて、練習のつもりで内外装だけレストアして、販売するのは気が引けたので業者オークションで処分してしまったことがあるくらいです。パーツ入手はできないことは無いですが、これの専用部品が国内で在庫されていることはまずないと思います。それにTdは88(89)年までだったと思いますので、30年以上前の車ということになります。海外で30年以上乗られてきていると、どんな改造がされているか分かりません。分解前にパーツを用意して、いざ作業にかかると内部は全然違う年式の部品で組まれていたというようなことも考えられるのです。こうなってしまうと、実際の整備内容以上にコストがかかりますし、しっかり知識があって、部品形状からどのモデルのパーツが流用されているかということを判断できる人でなければ、まともに整備ができなくなります。これは当社でも自信がありません。80年代の車はほぼ未経験ですから。
更に機械部分ならまだしも、ボディにも海外感覚で適当に手が入っている車はもっと厄介です。雑に塗装や補修がされてしまっている車なら、まだ何もしていないで外見がボロボロの方がマシなのです。錆を下処理しなかったり、凹みの叩き出しもせずにパテを分厚く盛って、上から適当なマスキングで塗装されてしまっている車を手直しするというのは、普通にボロボロの車を直すより遥かに手間がかかります。

しかし、要注意なのは中古並行だけではありません。正規輸入車Td5も、もっと古いTdiも、いくら外観が良かったとしてもそろそろ本格的な整備が必要な時期です。足回りブッシュ、クラッチのオーバーホール、ハブ・スイベルのオーバーホール等、今まで一度も行われていなければ、もう行わなければいけないというメンテナンスはたくさんあります。こういう事が行われていない車であれば、購入後に次々に整備費用がかかることになります。
整備費用についてはフェイスブックに明細をアップしたことがあるので参考にしてみてください。

https://www.facebook.com/asahimotors.net/posts/4120351894647993

普通の中古車屋さんで買う場合、壊れていなければ(動いていれば)こういう作業を納車前に実施することはまずないと思います。一般の中古車屋さんレベルでの「しっかり整備してある」「状態が良い」とは、とりあえず走行に問題が無く、酷いオイル漏れがなく、エンジンオイルを交換してある程度の事だと思った方が良いです。上記の整備費用で言えば3~5万円くらいのものです。これが悪いということではありません。普通です。当社でも、もし他車種の20年落ちの輸入車の中古車を販売するならそれくらいの事しかやりません。というかできません。(もちろんそういうレベルでしか整備できないことをあらかじめ説明の上、それでも良いと言ってもらわなかったら販売しませんが)。

当社で販売した車が完璧であるというつもりは全くありません。ミスをすることもあります。そうでなくても登録前に十分な試運転ができるわけでもないですし(仮ナンバーでの試乗・試運転は違法です!)、長時間乗らないと発生しない不具合が隠れていたり、ランドローバーですから、納車前に交換した新品部品が不良品だったなんてことも時々あります。

ただ、分かっている不具合を放置したり、隠したり、明らかに本来の性能が出ていないのに気が付かずに納車してしまうというということはないはずです。

修理に持ち込まれた他店購入の車が、「よくこれで乗っていられますね」という状態であることは頻繁にあります。例えば、異音や不具合を確認するために高速で試運転をしなければならないのですが、不具合と無関係に足回りの状態が悪すぎて、その試運転すら恐ろしいのです。それが普通だと思って乗られているのは、オーナーさんにとっても車にとっても不幸なことだと思います。とはいえ、不具合があって持ち込まれているのに、別の不具合、しかもオーナーさんが気にしていることより概して高額になるようなことを指摘するのは非常に気が重いのです。
せっかく買われたディフェンダーを嫌いになってしまいはしないかと、いつも言葉を選ぶのに苦労します。しかし、できれば万全の状態で乗ってもらいたいとも思います。足回りのブッシュとショックアブソーバーを新品にして乗ってもらえば、印象が全く違ってくるはずです。ディフェンダーは、本当は真っ直ぐ走らないような車ではないんです。

あまりに長いので、次回に続くことにします。

次は最近の価格も含めて書くことにします。

昨今のディフェンダー中古車事情について(2) - asahimotors’s blog (hatenablog.com)

ゴールデンウイーク休業のお知らせ

誠に勝手ではございますが、GW期間中は下記の日程にて休業させていただきます。
4月29日     営業
4月30日     受付のみ営業
5月1日~5月5日 休業

 

パーツの通販も同日程で休業いたします。GW期間中に整備をされたいという方は部品はお早めにご注文ください。

 

ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

全塗装について

全塗装のお問い合わせが非常に増えています。
そろそろTd5の年式の車の塗装が劣化してきているのと、価格が上がってきているので、せっかくだからきれいにしてもう20年乗ろうというような方が多いのかもしれません。

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現在塗装予約は約2年待ち、それも伸びる可能性も大きいです。大体1台1~1.5ヶ月の計算でこれですが、状態が悪かったりすれば2~3ヶ月かかる車もあるかもしれません。予約は電話やメールだけで、実物を確認していない車も多いです。「そんなに状態が悪くないですよ」と聞いていた車が実は・・・ということもあります。


それに、年に1~2台は入ってくるそれなりの規模の事故車の修理もあります。ドアとかクォーターパネル交換くらいのものであればそれほど時間はかからないので関係は無いのですが、横転車やフレーム修正を伴うようなものは全塗装と変わらないくらいの時間がかかりますし、作業スペースも占拠します。

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これを、「予約待ちで2年後にまた入庫してください」というわけにはいきませんので、優先して作業するしかありません。こういうのがあると、その分全塗装予約の方のお待ちいただく期間が長くなってしまいます。

それから、よく他車種の全塗装の相談をいただくことがあるのですが、基本的には全塗装はディフェンダーとクラシックレンジ、まだやったことは無いですがディスコ1だけとさせていただきます。

あれだけバラせるのだから、他の車もできるだろうと思ってお問い合わせしてこられるようですが、そう簡単ではありません。

一般の鈑金屋さん、修理工場にディフェンダーの全塗装を相談すると、断られることも多いと思います。多分、仕上がりに厳しいところほど断るのではないかと思います。
これは分解の作業工程が読めないからです。仕上がりを良くするためには、内装も外装もできるだけ分解してから塗装する必要があります。しかし、やったことが無ければ、分解するのにどれだけの手間がかかるのかはっきり言って分かりません。さらに、10年以上経過した車の部品を取り外すと、樹脂でできているものなど何が壊れるか分かりません。壊す以前に、一度取り外してしまうと再使用不可の部品もかなりあります。
大雑把な見積もりを出して引き受けてしまうと、大変な赤字を食らうリスクがあるのです。
金額の事は置いておくとしても、クリップ一個が壊れてしまったり、後から必要な部品が発覚したために、取り寄せるのに数日、国内に無ければ1ヶ月以上(正規ディーラー経由の場合)も作業がストップしてしまうなんていう事も珍しくありません。ディフェンダーの事を知らなければ、そういった部品が絶版で手に入らないというのも怖いと思います。
だからそうやってしっかり分解して仕上ないといけないと考えている鈑金屋さん程、気軽には引き受けません。逆に、気軽に引き受けてくれるところは、あまり分解せずにマスキングして塗装してしまうつもりかもしれません。全塗装のやり方はそのお店によって全く違いますので、依頼されるときは工程や内容をしっかり打合せして行うことをお勧めします。

誤解しないでいただきたいのですが、マスキングして塗装することがいけないと言っているわけではありません。費用対効果の問題で、パッと見でキレイであれば良く、不具合が出たらそこだけ後日やり直せばいいということであれば、それで十分です。
マスキングについては以前書きました。
https://asahimotors.hatenablog.com/entry/36576925
https://asahimotors.hatenablog.com/entry/36601500
ちなみに、9年前の記事なので、現在の推奨分解レベルはこの当時よりかなり上がってしまっています。経験を積み重ねることで、どうやればより美しく、耐久性がよく仕上げられるかというのが分かりますので、作業内容は日々進化しています。
そして、部品についても、何が壊れても作業がストップしないように、あらゆるクリップ類や細かい部品を在庫するようになっています。

そういうわけで、ディフェンダーの分解ができるからと言って他車種の分解ができるわけでもありません。それでもやろうとすると、無駄に時間がかかってしまいます。ということは無駄に費用がかかるということです。マスキングで塗装すればいいという方もいらっしゃるかもしれませんが、それならばそういう作業に慣れた業者さんに依頼した方がキレイになりますし、金額も安いのではないかと思います。