DIYはタッチアップまでで

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カー用品店やホームセンターに行けば必ずH社やS社などの補修用品が売られています。ご親切に手順を紹介したパンフレットまで配布されています。さらにCMでは、普通の人よりちょっとダメそうな(失礼)タレントさんが、簡単そうにバンパーを修理してます。いかにも誰でも簡単にきれいに傷を直せるように思えてしまいます。

しかし、一般の人が初めて塗装した場合の仕上がりというのはこんなものです。むしろこれならまだ上手な方かもしれません。これはかなり以前に撮った写真ですが、連休明けにはこういう状態の車が持ち込まれることが多いです。中には、何も手を出さないうちに持ってきてもらえたら半額で済んだのにという方もいます。安くはない材料を買って、貴重なお休みを潰した結果が修理費2倍ですから、お気の毒としか言いようがありません。

皆さんが言われるのが、「同じ色番号のスプレーを買ってきたのに色が合わない」ということです。そして、「車の方が色あせしているから合わないのでしょうね」と言われます。うちで修理しても色が合わせられないのではないかと心配されているようです。
スプレーの色が合わないのは確かに色あせのせいもありますが、新車に塗ってもおそらく合わないと思います。実は、同じ色番号でも、車によって、または生産時期や生産ラインによって微妙に色は違うのです。プロの使う調色データには1色に対して何通りもの調色があり、その中で一番近いものをさらに微調整して塗装します。そこまでやっても色合わせで苦労することがあるのですから、1つの色番号に1色しかない缶スプレーでは色が合う確率はかなり低くなります。特にシルバーなどの淡色メタリックは、たとえ同じ塗料を使っても、塗装のときの吹き付ける強さなどで色が変わってしまいます。違和感無く仕上げるには一般の方の想像よりはるかに広範囲を塗装しなければなりません。

DIYを全て否定するわけではありません。自分の愛車を自分で直せれば最高ですし、費用も安く済むでしょう。しかし、スプレーでの塗装は初めての方がマニュアルを片手に作業して満足な仕上がりになるほど簡単ではありません。自分で作業するのは、筆塗りのタッチアップまでにすることをオススメします。

そして、できれば何もする前に気軽にプロにご相談ください。ちょうど同じ色が余っていれば、簡単なタッチアップ程度なら見積もりついでに無料ですることもできますし、用品店で売っているものよりも多少なりとも色を合わせて調色して、小瓶で塗料をお売りすることもやってます。