昨今のディフェンダー中古車事情について(2)

前回書いたようなことを踏まえて、最近のディフェンダーの中古車事情について書いていきますが、はっきり言って今の相場は高すぎます。
当社が基本的には在庫販売していないTDCiはもちろん、Tdi・Td5の値上がりが異常で、走行距離が少なければ当時の新車価格を遥かに超える金額で販売されています。人気があるものが高くなってしまうのは世の中の仕組みとして仕方がないのですが、20年ディフェンダーに携わっているものとしてはどうなっているんだろう?と思ってしまいます。

まず、仕様ごとに現在の相場感を書いていきます。

古い方から順に。

Tdエンジン 
相場を語れるほどの台数は国内に無いと思いますし、古いので状態次第です。見たことは無いですが、しっかりレストアしてあれば、Tdiと大差ない金額にはなると思います。

200Tdiエンジン
これも台数が少なく、相場云々は言えません。年式が古い分、300Tdiより少し安いくらいだとは思います。


300Tdi&Td5&TDCi

ここからが中古車市場の主流のモデルになります。が、エンジンごとに説明する前にエンジンに関係のない年式による変更や、その他仕様の違いについて先に書きます。

ボディ等
300Tdiは94年から2006年まで、Td5は99年から2006年までと並行して生産されていました。
後述しますが、エンジンの差の他に、年式によって内外装等に若干改良が入るので、そのタイミングで価値が変わってくると思います。
まず、99年のTd5のリリースから、Tdiも含め燃料タンクが樹脂になりました。その次は2002年以降でインパネのデザインが変わるのと、バックドアがスチールになります。ここからパワーウインドウと集中ロックがオプションで選べるようになりました。特に集中ロックは2001年までのタイプのバックドアだとアクチュエーターを仕込むスペースが無いので、集中ロック化が大変困難です。また、ディフェンダーのドアの錆は大抵スチールのフレームとアルミのスキンの間に水が入り込むことで発生してくるので、全てスチールでできているものの方が錆びにくくなります。ということで、2002年以降がちょっと価値が高くなると言えますが、インパネの雰囲気は旧タイプの方が良いという方が多いように思います。次の変更点が2005年です。ここでサイドドアもスチールになります。これでかなり錆に強くなっています。クォーターのスライドウインドウもこの年式からリベット取付から接着式になります。これについては善し悪しで、脱着が非常に大変になり、フィルム貼り等、脱着を伴う作業の費用が上がってしまいました。
最後に2007年以降でモデルが大きく変わります。エンジンがTDCiになってエンジンの上下幅が大きくなったのに伴い、それを避けるためにボンネットの中央が盛り上がりました。内装も大きく異なりインパネ周りはかなり現代風になり、セカンドシートも幾分マシに、サードシートは前向きになりました。そして、クーラーではなくエアコンになって温風冷風が全ての吹き出し口からでるようになり、エアコン無し車であっても外気導入が可能になったせいか、ベンチレーターが撤廃されました。大きな雨漏りポイントがなくなったわけですが、これをディフェンダーのアイコンととらえていた方にとっては非常に残念な変更です。

以上が、エンジン以外の内外装等の年式による変更点となります。

ナンバー
ディフェンダーには1・3・8と場合によっては4ナンバーがあります。

1ナンバーは税金が安いと思い込んでいる方がいますが、それはアメ車やランクルのような大排気量の車の場合です。ディフェンダーディーゼル車は全年式で2500cc以下ですので、3ナンバーでもそれほど自動車税は高くありません。1ナンバーは確かに自動車税が安いですが、自賠責保険料は高くなりますし、高速代が高くなる、ETCの休日割引がなくなる、任意保険でも限定条件が付けられなかったりといったデメリットがあるので、3ナンバーの方が価値があると言えます。少なくとも、現在3ナンバーであるものをわざわざ1ナンバーにする意味はありません。それから、3ナンバーは関東と大阪の流入規制の対象外となるというメリットもあります。排ガス規制はNOX/PMの登録規制と、各自治体の流入規制(通行規制)があり、別物です。登録規制のない地域の方でも、流入規制は関係ない訳ではなく、規制不適合の1ナンバー車では、流入規制のある地域に乗り入れることは条例違反となります。例えば、静岡で登録してある規制不適合の1ナンバー車で、お隣の神奈川県に乗り入れるのは不可です。これは知らずに乗り入れている方も多いですし、自家用車が摘発されたというのは聞いたことがありませんが、違反であることは間違いないので、ご注意ください。
そういうことなので、正規輸入車は基本的には1ナンバーで排ガス不適合ですが、3ナンバーに変更してある車は、例え規制不適合であっても価値が高いことになります。そして、正規・並行に関わらず、3ナンバーのNOX/PM適合車というのが最も価値があるということが言えると思います。そして、最近3ナンバー化ができなくなってしまったので、その傾向はさらに強まっています。

8ナンバー福祉車両などで登録していない限りキャンピング車だと思います。8ナンバーは昔のように税金上のメリットはあまり大きくありませんが、それでも重量税は若干安くなっています。しかし、8ナンバーはその要件をしっかり満たしていればこそです。どうも昔のいい加減な輸入時の審査状況で、本来要件を満たしていない8ナンバー車が多いようです。エアベッド・カセットコンロ・ポリタンク等が荷室に転がしてあるだけ、場合によってはそれすらも無い状況で中古車が販売されてしまっている事例が多くあります。そういう車は、各ショップさんがキャンピングキットを持っていて、車検の時にそれを貸し出して通していた、またはペーパー車検のようなもので通していたということのようですが、当社ではそういう事は絶対に行いません。
違法キャンピング車は合法状態にして販売や車検を通させていただきます。しかし、中にはどうやっても合法状態にできないものもあります。乗車定員を減らさなければならないような場合ですが、乗車定員を減らすような構造変更をする場合、現行のキャンピング車の要件を満たさなければならなくなってしまいます。しかし、現行のキャンピング車の要件は室内高の要件が追加されたり、ポップアップルーフでもない限りディフェンダーではクリアできなくなってしまいました。そうかといって、先述のように3ナンバーに変更することもできなくなりましたし、1ナンバーも難しいようで、合法的にはどうにもならないということになってしまいます。(その車が過去に1・3ナンバーであった履歴があるのなら戻すことはできます)
そういうわけで、8ナンバーの車の購入は十分に気を付けてください。当社では当然ながら合法のものしか販売しません。

4ナンバーは非常に特殊です。基本的には貨物登録すると1ナンバーになるはずなのですが、ローダウンして車高が200cmを切り、オーバーフェンダーをカットするか、幅の狭いものに付け替えて車幅を170cm以下にすることで、4ナンバーを取ることができるようになります。4ナンバーは先述の1ナンバーのデメリットが無くなるので、非常に良いように思えます。しかし、4ナンバーを取った後でまたオーバーフェンダーを元に戻してしまえば違法になってしまいますので、車検に通せなくなります。車検の度にオーバーフェンダーを戻せばいいというものでもないので、購入を検討する車が4ナンバーであったらご注意ください。


さて、ここからがエンジンごとの違いですが、また長くなるので次回にします。