ディフェンダー リヤホーシング交換

この110ははるばる岡山からご入庫いただきました。

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 事故車を購入されてボディーを直されたとのことでしたが、足回りまでおかしいようで、タイヤが酷く片減りするということです。
 チェックしていくと、右のリヤラジアスアームの前側にスペーサーが挟んであります。

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ホイールが前にずれてしまったので、このスペーサーで辻褄合わせをしてあるのでしょう。
こうなっている原因として考えられるのが、ホーシングの曲がり、ラジアスアームの曲がり、メインフレームの曲がり、フレームに溶接されているラジアスアームブラケットの曲がりです。

まず、サイドスリップテスターにかけてみました。

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車が1m進んだときに、何mm横にずれるかを測定する機械で、通常は車検の際に前輪を測定しますが、今回は後輪を測ります。すると・・・

カタンッ!

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 あまりにも横滑りしすぎて、テスターの通常は接触しない部分が当たって音が出てしまいました。当然数値は振り切っていて計測不能です。15.7は計測できる最大値を示していますが、実際には遥かに酷い数値です。

 次に、フレームの各所を測定してみました。幸いなことに、フレームに問題になるような歪みは出ていません。これが曲がっていたら、また前回のようにボディーの脱着が必要になるとことでしたので、一安心です。
 こうなると、ラジアスアームとホーシングの曲がりが濃厚になります。

一旦ホーシングを降ろしてみることにして、まずシャフトを抜くと・・・

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曲がってます。左が新品です。写真では分かりづらいかもしれませんが左右共に微妙に湾曲していました。またその前にフランジを外した時にデフオイルが出てきていました。

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単純なシールの経年劣化でもこうなりますが、曲がったシャフトが振れてダメージを与えた可能性が高いです。

とにかく、これでホーシングの曲がりも確定です。


ここでドナー2号の登場です。ホーシングもリヤラジアスアームも無傷ですので、入れ替えることにします。

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デフは既に外してしまっていたので、今付いているものを組み替えます。

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シャフトとフランジも交換されていて廃品が仮付けしてあるだけなので、新品を入れます。

作業後に再びサイドスリップテスターにかけます。この数値によっては、やはりフレーム修正が必要になるかもしれませんので、ドキドキです。

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これでも許容範囲でしょう。

ただ、純正鉄ホイール+片減りしたAVONなので、この後別のディフェンダーからホイールを借りて計測したらINのもっと小さい数値が出ました。これならOKです。念のためもう一度各所を測定して修理完了としました。