ディフェンダーのナンバーについて

110のナンバーは基本的には1・3・8の3種類です。

正規輸入の110は基本的に1ナンバーです。
1ナンバーのメリットは年額16,000円と、自動車税が安いことです。これが3ナンバーだったとすると、45,000円。年間30,000円の差が出ます。

デメリットとして最も大きいのは、車検が毎年あることです。
この車検の費用について考えてみます。試算は、平均的な110で計算していますが、登録時の装備などによって重量税が1ランク上になる場合もありますので、ご注意ください。

1ナンバー
自賠責23,920円+重量税15,000円×2=38,920円
3ナンバー
自賠責22,470円(2年) + 重量税40,000円(2年)=62,470円/2=31,235円(1年)

 法定費用で年間7,000円以上の差が出ますが、もっと大きいのは点検料や代行料といった車検代金です。ディフェンダーのユーザーさんはご自身でユーザー車検をされる方も多いのですが、そうでなければ1ナンバーの車は毎年車検料金が必要になります。もちろん3ナンバーであっても12ヶ月点検は必要なのですが、料金的にはやはり車検の方が高くなります。

 次のデメリットは高速料金です。基本料金でも2割ほど高くなるのですが、何と言っても1,000円乗り放題が適用にならないのが痛いです。

 更には排ガス規制です。これはまた複雑な話ですので、次回に詳しく書きますが、各自治体の規制にはどこで登録してあっても、その規制地域を走ってはいけないというものがあります。従って、規制地域外にお住まいの方でも十分に影響を受けます。知らずに走ってしまう方も多いですが、初期の正規輸入車は既に猶予期間が過ぎていますので、ノーマル(1ナンバー)では、どこで登録してあっても東京などの首都圏や大阪府に行くのは条例違反なのです。しかし、各自治体の規制は3ナンバーであれば適用外になります。これが1ナンバーのデメリット、3ナンバーのメリットです。

最後に、任意保険料。これは保険会社や契約内容によって違うので具体的な数字は出せませんが、1ナンバーは限定条件が付けられなかったり、色々デメリットがあり、3ナンバーに比べれば高くなることが多いです。ただし、逆に若い方は安くなることもあるようです。また、最大積載量によっても扱いが変わったり、複雑ですので、これについては契約の保険会社にご確認ください。

1ナンバーと3ナンバーとの比較では、3ナンバーの方にメリットがあると思われます。
自分でメンテナンスを行ってユーザー車検を受けてしまうような方は1ナンバーでもメリットがあるかもしれませんが、ETC割引も考えればやはり3ナンバーの方が良いでしょう。
時々、3ナンバーになっている車を1ナンバーにして欲しいと言われます。これは大きな車=1ナンバーがお得というイメージがあるためだと思いますが、2500ccではほとんどメリットが生かせず、デメリットばかりが目立ってしまいます。わざわざ手間とお金をかけて1ナンバーにする意味は全くありません。

 もうひとつのナンバー、8(キャンピング車)ですが、これは少し特殊です。今は既にキャンピング車の要件が厳しくなり、ノーマルのディフェンダーでは新規にキャンピング登録をすることができません。(要件が変わる以前に登録されたものは問題なく車検は通ります。)
15年近く前は8ナンバーは自動車税が安い上に、車検も2年ごとで重量税も安く、大排気量のアメ車などはみんな8ナンバーを取っていました。それが徐々に是正されて今では3ナンバーとほとんど変わらなくなっています。
当時の並行輸入業者さんの中には、輸入時に8ナンバーで予備検を取っても、キャンピングキット無しで売ってしまっていたところも多く、平成1桁~14年くらいの110の中には8ナンバーでキャンピングキット無しの車が非常に多いです。この8ナンバー車を個人売買や専門店以外で購入されて、車検に困って相談を受けることがよくあります。以前はキャンピングキット無しで車検を通してしまう業者もありましたが、最近は厳しくなって、きちんとしたキットを積んでおかないとなかなか通してくれません。もちろん当社でも通せません。
また、キットがあっても常時積んでおくのは邪魔ですが、そうかといってキットを積んでいないと違法です。その状態で事故をすると保険金の支払いを拒否されることもありえます。保険がらみでは、1ナンバーと同じ理由で任意保険が高くなったり、そもそも引き受けを断られてしまったりもしますので、3ナンバーへの変更を希望される方が多くなっています。

この3ナンバーへの変更ですが、以前は簡単にできました。いくつかある3ナンバーの要件を満たして、車検場に持ち込むだけでできたのです。初めから要件を満たしている車なら通常の車検とほとんど手間は変わりませんでした。実際当社でもその方法で何台も3ナンバーにしました。しかし、2年ほど前から突然これができなくなってしまいました。その後しばらくは3ナンバーにすることができなかったのですが、最近何とかできるようになりました。しかし、3ナンバーを取るには、その車が3ナンバーの基準を満たしている証明をつけなくてはいけなくなり、これにはかなりの費用がかかります。それでも、最近は8ナンバーの車が入ってくると3ナンバーに変更してから販売するようにしています。その費用は当然車体価格に含まれています。

思いつくままに書いていたら、とても長くなってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?
次回は排ガス規制について書きます。