ディフェンダー Td5のベルト鳴き

昨年の6月に販売したTd5の中古車に納車直後からベルト鳴きの症状が出てしまっていました。納車前にはファンベルトは交換しているので、ベルトの劣化ということはありません。走行距離も少なく、テンショナやその他の部品のベアリングの劣化ということも考えにくい状況です。交換した新品のベルトの馴染みの問題かと、当初は鳴き止め剤を塗布して様子を見ていただいていましたが、寒くなっていっそう鳴きが激しくなってしまいました。

 そのためお預かりして、ベルトを外してそれぞれ手で回してみたり、最終的には他の在庫車と部品を入れ替えてみたりしましたが、異常はありません。原因がつかめずに、しばらく悩んでいましたが、他車との部品入れ替え作業中にあることに気付きました。

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 「ベルトの背」です。在庫車についていたベルトは「背」というか、溝がない側に魚の鱗のように細かい凹凸があるのです。在庫しているTd5用の純正ベルトを調べると、確かに凹凸加工がしてあります。確かに、Td5はベルトの背が当たっているプーリが多く、背側で滑れば音が出やすいかもしれません。それなら純正品に交換すれば解決なのですが、残念ながらこの車は並行車の初期のTd5なので、社外クーラーが付いていて、ベルトのサイズが特殊なのです。この車は7PK1820、対して純正は7PK1801。19mmも長いので純正が使えません。そこで、ベルトの背をサンドペーパーで傷つけるという荒技に出ました。これで、鳴き止んだら原因は確定です。

結果、正解でした。ただし、こんな応急処置のような方法で効果がずっと続くかは疑問でしたし、更に寒くなればまた鳴ってしまう可能性も十分考えられたので、背に加工がしてあるベルトを探すことにしました。

 鳴いているベルトのメーカーはDAYCO。7PK1820のベルトが国内で手に入らなかったので、イギリスからサイズを指定して取り寄せたものです。DAYCOは純正供給メーカーですし、他車でDAYCOベルトを使って問題になったことはありませんが、今回はゴムの硬さなどの品質の問題ではなく、Td5用の加工がされているかどうかなので、いくら品質が良くてもダメです。他のメーカーで探しましたが見つかりません。そこで、更に調べると、ディスカバリーTd5用のベルトが7PK1818であることを発見しました。2mm短いだけなので、取付できるはずですし、Td5用なので当然背面に滑り止め加工がされています。

案の定、サンドペーパー加工の効果が切れて、12月にお客様から、鳴きが再発したとの連絡を頂いたので、これを取り寄せて本日交換しました。
予想通り、今のところ鳴きは完全に止まりました。明日の朝一の冷え切ったところでの始動で問題なければ完了です。