全塗装の話(2)

現在、工場はこんな感じです。

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この手前にも、駐車場にもあと何台かあります。
当社はディフェンダーばかりを扱うわけではないので、大体、夕方までに一般車の車検などを終わらせ、その後で時間のかかるディフェンダーの作業に取り掛かるというのがいつもの流れです。これは今日の夕方の工場内です。ディフェンダーでいっぱいになります。前回も書きましたが、車検などの緊急でない作業のご予約はお早めにお願いいたします。

私自身も今週は殺人的なスケジュールでした。
水曜日に浜松のディーラーさんへ車を引き取り
木曜日に三重県の川越町まで110の買い取り
金曜日に東京へ納車、帰りについでに点検の車を引き取り
土曜日に御殿場まで110の買い取り
そしてとどめに来週月曜日には長野県の飯山市まで納車です。
この1週間の積載車の総走行距離は最終的に何kmなるのか楽しみです。

買い取ってきた110は1台は事故車の部品取りですが、もう1台は程度のよい正規Td5 白です。
走行距離は11万キロと少し多いですが、その分安く販売できます。排ガス適合改造してから販売しようかとも考えていますので、興味のある方はお問い合わせください。詳細は来週掲載いたします。

前置きが長くなってしまいましたが、全塗装の話の続きです。
部品をどこまで外して塗装するかで仕上がりが大きく左右されるという事は前回書きました。
これは、現在作業している110ですが、当社のお勧めする部品の脱着はこれくらいです。

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もちろん、予算次第ではもっと省略する事もできますし、より上を求めるなら、フェンダーやクォーター、ルーフパネル、エンジンも取り外す事もできますが、費用対効果や建付けが狂ってしまうリスクも考えると、この程度で良いのではないかと思います。この状態にするのに大変なのはドアやシートなどの大物の取り外しではありません。外見だけをこの状態にするには、当社のスタッフならおそらく2人で作業して、2時間とかかからないと思います。
 問題は大物を取り除いた後のカーペットです。正確にはカーペットを取り除いた後の接着剤です。これが一番時間がかかります。一応、糊を取れやすくする溶剤もあるのですが、劇的に効果があるわけではなく、少し楽になるだけです。ひたすら糊を擦り取っていく地味な作業を何時間も続けなければいけません。この作業をご自身で行ってから持って来ていただければ、全塗装の費用は安くする事ができます。

上の写真は塗装が終わったところですが、この後でも手間のかかる作業は続きます。
塗装の上には必ずホコリが乗ってしまいます。塗装が乾く前に空気中に漂っているホコリが塗装面にくっついてしまいます。
塗装ブース、そして職人の腕でそれを抑えるのですが、どんなに高性能なブースを使ってもある程度は乗ってしまいます。
このホコリを取るのが磨き作業です。

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細かい紙やすりで付着したホコリを塗装の表面ごと削り、そのあとポリッシャーを使って、削った跡を消していきます。また、磨きには塗装の肌(表面の細かな凹凸)を均一にして、きれいな塗装面にする目的もあります。車全体を行えば、これにも大変な労力が必要で、仕上がりを左右する作業です。

全塗装の費用を聞くと、色を塗り替えるだけでなんでそんなに高いの?と思われるかもしれません。
しかし、塗装自体ももちろん技術が必要なことなのですが、その下準備と後処理に大変な手間と時間がかかるのです。
当社の全塗装料金は、ディフェンダーやクラシックレンジに限れば一般的な相場からすれば安い方だと思います。前回のクラシックレンジの全塗装の際に、関東のお店でお見積された全塗装料金を聞いて驚きました。そんなにもらっていいんだ・・・と。

 それでも、全塗装料金を問い合わせをいただいても、実際に作業されるのは5人に1人以下です。おそらく、一般の方の「これくらいなんだろう」思っている金額と、実際に必要な料金がかけ離れてしまっているのかもしれません。そこで、全塗装の何が大変なのかを理解していただこうと思ってこれを書いてみました。いつか全塗装をと考えられている方は参考にしてみてください。
 また、具体的な料金、作業内容を知りたい方はメールでお問い合わせいただければ、エクセルのファイルになった料金表をお送りいたします。