ディスコI Tdi

ディスカバリーTdiが入庫しました。
当社のランドローバーのお客様は90%以上がディフェンダー、5%くらいがクラシックレンジ、その他は数台しかないので、ディスカバリーの入庫はかなり珍しいです。
遠くの中古車屋さんで購入されて、整備はばっちりだと言われたそうですが、やはり我々からすると色々と目についてしまうので、作業させていただきました。
誤解がないように言っておきますと、素材としては素晴らしく、現在はなかなかここまでの状態のディスコⅠも無いだろうというくらいの車です。販売した中古車屋さんは悪くはありません。当社のメカニックが試運転した後に、「これ調子いいですね」って言いましたから間違いありません。普通の車はそんなことあまり言いませんから。しかし、やはり専門的に診られてきた車と、そうでない車は違います。16年前の車をこれからずっと乗っていくためには、相応のメンテナンスが必要です。

まずは、ハブが新車から一度も開けられた形跡がありません。当然、ハブ内はギヤオイルが回ってドロドロですし、スイベルも漏れが酷いです。

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それから、タイミングベルト。まだ7万kmですが、Tdiは交換しなきゃ怖いです。

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そして、ウォーターホースが全部カチカチになっています。
さて、このホースが問題でした。

入荷待ちの部品があり、2週間ほど前に一度お返しして、本日また入庫いただいたのですが、作業をしようとすると冷却水漏れに気が付きました。作業ミスでもあったのかと漏れ箇所を確認するとこの状態。

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ホースの溶接部分からです。2週間前に交換したものです。
幸い、昨日今日で漏れ始めたようで、まだ冷却水は十分残っていてオーバーヒートには至っていないようです。
実はこのホース、最初は国内の部品商さんに注文をしたのですが、在庫なしでした。その時に、「この部品は継ぎ目からの漏れがよくあってクレームになってしまうので、扱いを中止しています」と言われました。いやいや、純正部品ですよ?
でも、実際に今付いているものもいつ裂けてもおかしくないくらい硬化していますので、仕方なく本国オーダーしました。いくらなんでも純正はそうそう漏れないだろうし、交換サイクルが短くなってしまうくらいだったら止むを得ないだろうと考えていました。

甘かったです。2週間もたず。部品屋さんの言った通りでした。さてどうするか。適当に溶接なんかしても、もつわけがないですし・・・。

しかし、よく観察してみると、形状がディフェンダーのものに似ていることに気が付きました。そこで、少々もったいないですが新品のディフェンダーのホースを分解し、T型の樹脂ジョイントとL型ホースを取り出し、ディスコのホースを切断してその部分にジョイントを移植しました。
時間的に余裕があれば、適合する汎用のT型パイプを探すか、溶接して作ればいいかもしれません。

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これで何とかなりましたが、純正品なのになんという不良品率でしょう。それならば社外品でもと思ったのですが、これはEGR付車専用なので、需要が少ないのか社外品もありません。

全国のディスコTdiのオーナーさんはここを交換するときはどうしてるんでしょうか?

これからディフェンダーのホースを交換した時は、このTパイプを回収しておくことにします。