ディフェンダーと保険

最近、ディフェンダーの事故などで外装修理の入庫が続いています。

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保険使用と自腹修理と半々くらいなのですが、ディフェンダーは是非、車両保険をかけていただきたいと思います。
 ディフェンダーの部品は意外と安いですし、社外品などもあるので、当社のようにイギリスから直接部品を仕入れていれば、所謂「ガイシャ」的なイメージよりもかなり安く販売できます。

しかし、ボディはそうもいきません。外装部品でも社外品はあるのですが、精度が低い場合は手直しが必要だったりしますし、何よりも嵩張るだけに航空便で取り寄せれば費用がかかります。5万円の部品を取り寄せるのに5万円かかるということも普通です。更に、輸送中にダメージを受けてくるリスクも高いのです。そういうわけで、どうしても部品価格は高くなります。そして、当然ですが、国内でまともな中古パーツが見つかる可能性はかなり低いです。

それに加えて、ディフェンダーの特徴であるアルミパネルです。アルミでも鈑金はできないことはないのですが、鉄ほど自由に形を整形できないので、大きく歪んでしまうとパネル交換しかありません。これも費用がかかります。

一番厄介なのが、リヤクロスメンバーです。ディフェンダーにはリヤバンパーというものがなく、追突されたときに真っ先にダメージを受けるのはクロスメンバー、つまりフレームです。バンパーが凹んだから気軽に交換というわけにはいかず、クロスメンバー交換するとなれば切断+溶接ですのでフレームからボディーを降ろす必要も出てきます。

こんな感じで、ディフェンダーのボディ修理は高くつくのです。事故なんかしないから大丈夫と思わず、できれば自損事故OKの保険をお勧めします。保険料が高くなってしまうなら、免責をつけるのが良いと思います。どうせ昨年からの保険の制度の改定で、安い修理で気軽に保険を使うとデメリットが大きくなってしまいましたし。

それから、もう一点保険で気を付けていただきたいのが車両保険の金額(車両価格)です。通常、最初の契約から保険を更新していくと、毎年かなりの割合で車両価格を下げて保険の案内が来るはずです。普通の車、特に輸入車なんかはそれでいいのですが、ディフェンダーは違います。ご存知のように価格はほとんど落ちません。場合によっては上がるかもしれません。
車両価格が下がれば保険料が下がるのでメリットもあるのですが、いざ事故をしたときに、その金額までしか保険金が支払われません。修理不能な壊れ方だったり、盗難などの場合、時価に見合った金額を設定しておかないと、買い替えることができなくなります。そんなことになったら他車種に乗り換えるという場合は良いのですが、一度乗るとなかなか降りられなくなるのがディフェンダーです。できれば、同じ程度の中古車が買えるくらいの金額設定をお勧めします。