ポンプ交換後の燃料漏れ

 昨日、燃料ポンプの交換を終えてお返ししたTd5のお客様から、その夜遅くにご連絡があり、燃料漏れを起こしてしまっているとのこと。ポンプとホースの接続不良で交換直後に燃料を撒き散らしたという話は聞いたことがあるので、担当者がミスをしたのかと思ったのですが、今回は荷室床にサービスホールを開けての交換だったので、タンクを降ろすのに比べれば作業はやりやすく、そんなミスをするとも思えませんでした。

詳しくお話を伺うと、どうもエンジンルームから漏れているようです。エンジンルームからの燃料漏れの定番はフューエルブロックコネクタですが、それほど酷く漏れるということもあまりありません。とりあえず、走行はできそうだということで、再入庫していただくと、こちらに入庫する頃にはさらに悪化したようで、エンジンルームから半端ではない量の燃料が滴っています。
漏れ箇所を確認するとやはりフューエルブロックコネクタ。しかし、よく漏れる本体部分ではなく、エンジン前方まで伸びるホースからの漏れでした。

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 このホースはフューエルブロックコネクタの部品の一部です。ただ、フューエルブロックコネクタ交換時に、このホースごと交換しようとすると、インレットマニホールドを取り外さなければならず、作業時間=工賃が倍増します。そこで、お客様と相談して、費用を抑えたい、待っている間に交換してほしい、というような要望があれば、旧ホースを使いまわしています。このお車も、数年前に本体のみ交換していました。
 それでも、普通はそんなに一気に大量に燃料漏れしてしまうことも少ないので、滲みが出たりしたときに改めてホース交換すれば良いのですが、今回は短期間のうちに一気に症状が進んでしまいました。
もしかしたら、ポンプが不調で正常な圧がかかっていなかったおかげで漏れていなかったところに、新品ポンプの正常圧がかかったことで、一気に破裂してしまったかもしれません。
 
 先日のオルタネーターのホースの件があったので、ポンプと接続されるホースの劣化には気を付けていたのですが、まさか触ってもいないエンジンルーム内で影響が出てしまうとは思いませんでした。せめて試運転中に漏れ出してくれれば、お客様に二度手間かけずに済んだのですが・・・。

 やはり、ある程度年数が経って、走行距離が多くなった車を整備するときは気を付けておかないといけません。部分的には改善するために行っている整備が、全体的に見ると良くないながらも保たれていたバランスを崩して悪影響を出してしまう。根本的な解決方法が無いだけに、難しいです。今のところできることは、試運転を長めにして、なるべくお預かりしている間に悪影響を出し切ることくらいでしょうか。