ディフェンダー90 V8

 3月に買い取ってからなかなか仕上げができず放置していた90を何とか仕上げて、カーセンサーに掲載したとたんに売約になってしまいました。
 他店さんの話を聞いても、最近掲載した車が即売約だったそうですし、今回購入いただいたお客様も、近場のお店で見つけた車を見に行こうとしていたら、すぐに売れてしまったそうです。人気が上がって来てるのかもしれません。

 また、車の玉数自体も減ってきています。中古車サイトを見ていただくと分かるのですが、NAS左ハンドルが極端に少なくなりました。これは海外に流出してしまっているからです。左ハンドルのガソリンEFIエンジンのディフェンダーは世界的にも貴重で以前から輸出需要があったのですが、昨年からの円安で一気に進んだ感じです。業者オークションでの相場も左ハンドルと右ハンドルでは全然違います。数年前は、国内市場で売りやすい右ハンドルの方が高かったのですが、今は逆転しています。右ハンドルも走行距離が少ないと高くなるのですが、左ハンドルは走行距離や車の程度が価格に大きく影響していないようです。それからカラーですが、国内で人気の白が意外と安く、赤、青、緑が高くなっていて、これも輸出車される車種の特徴だと思います。

 さて、こうやって国内に少なくなってしまった90ですが、それでも右ハンドルなら200万円以下のものもあり、110に比べば購入しやすい価格帯+ATで乗りやすいということで、需要が出て来てるのだと思います。

 ただ、この購入しやすいというのが落とし穴でもあります。中古車として出回っている90は110と比べると程度の差が非常に激しいのです。マニュアル車で乗り手を選ぶ110に比べて、メンテナンスに関心の低い方、メンテナンスに費用をかけられない方が気軽に買って、短期で手放されることも多いのです。単価が低いので、専門知識のない中古車屋さんも在庫しやすく、そういうところだけでぐるぐる回っていると新車から今まで一度もしっかりメンテナンスされないままの車というのが結構あります。
 しかしディフェンダーは良く言えば頑丈、悪く言えば鈍感というか大雑把な車ですから、意外とノーメンテでも今までもってしまっていたりします。他店で購入されて初めての車検でご入庫いただいて、必要な整備の見積もりを出すと50万オーバーなんてことが珍しくありません。スイベルは漏れてないと思ったらグリスが入っていなかった、ブレーキピストンが固着してる、ハブグリスが全くなくカラカラのサビサビ、マニホールドのガスケットが漏れ出したオイルと冷却水でふやけてる、あらゆるオイルが漏れている、などなど。「多少のオイル漏れは当たり前」は確かにそうなのですが、その量は多少じゃないでしょうってほど漏れているのです。110でもそういう車はあるのですが、圧倒的に90の方が多いです。もっとも、90の正規輸入は97年、110は2002年からで販売時期に5年差があるので、その分もあるのかもしれません。

 ちなみにこれは今日作業した燃料ポンプ不調の90。

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ポンプ交換の為にタンクを降ろそうとしたらブラケットが崩壊しました。たまたま在庫していたTdi用のブラケットで何とかならないかと検討してみましたが、形が違い過ぎて断念。身動き取れなくなってしまうので仕方なく中古車から拝借しました。中古車を買われる方は新品になってるからお得かもしれません。


そんなわけで、比較的お求めやすい価格の正規輸入90V8ですが、車は良く選ばないと痛い目を見ます。当社はあまり積極的に90V8は在庫しないのですが、ご希望があれば予算に応じてご用意します。
それから、300Tdiの90も常時1台は在庫しておきたいと思っています。思っていますが、ポンドは高い、イギリスは好景気で中古車相場が高い、本国のTdiは98年までだから古くてボロい、Tdi用クーラーキットが異常に値上がり、と厳しいい状況になっています。納得できるまで仕上げた上で、クーラーを付けると400~450万円、そうそう売れるもんじゃないですよね。難しいところです。