ナンバーの話

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本日、商談でクラシックレンジのナンバーの話が出ました。
セカンドレンジやクラシックレンジを1ナンバーにして売っている業者があります。同じようにできないかと。ちょっと調べてみると、そこで売られている車の乗車定員は4名。そして、コンパクトカー以下の維持費なんて書いてあるのです。自動車税が安い、重量税が安い、と。でも、自賠責保険料が倍近くになるとか、高速料金が高くなるとか、任意保険でデメリットがあるとかは書いてありません。特に車検時にかかる費用のうち、安くなる重量税について書いてあるにもかかわらず、あえて高くなる自賠責について書かないというのは悪意を感じます。
 確かに高くなるものがあるのを差し引いても、トータルでは大幅に安くなるので、維持費を強調するのは良いとしても、乗車定員4名が問題です。クラシックレンジ、セカンドレンジで乗車定員4名で純正シートというのは合法的には不可能です。これは構造変更時に他車種の前後幅の狭いシートを取り付けて、一時的に荷室面積を広くしているものと思われます。つまり、純正シートのままでは車検に通りません。購入後の車検は、闇で通してしまう民間車検工場で受けるか、車検場に持ち込みの際にまた他車種のシートを取り付けるかということが必要になります。1ナンバーだから毎年その手間です。
 これを、そう説明した上で売るのなら、買う側の自己責任という面もありますが、維持費の安さだけを強調して、デメリットについては黙って売ってしまうのは酷い話です。当社ではこういうものはそのままでは車検を通せません。
 ついでですが、エアサスをコイルサス化して、公認を取っていないのも車検は通りませんので、購入の際は十分ご注意ください。

 次にディフェンダーの話です。正規輸入車のTd5はノーマルでは1ナンバーです。並行車は1・3・8があります。時々、3ナンバーの中古車を購入時に1ナンバーにしたいと言われる方がいますが、これは意味がないどころかマイナスです。(ガソリン車除く)1ナンバーにメリットがあるのは、レンジローバーなどの大排気量の車です。2200~2500ccのディーゼルディフェンダーでは、自動車税は安くなるのですが、元からそれほど高くないので、1ナンバー化のメリットは小さく、自賠責保険料やその他のデメリットを補えません。3ナンバーが最もメリットがあり、1ナンバーの車をあえて高い費用をかけてでも3ナンバー化して買う方が多いのです。

 8ナンバーについては、以前は自動車税が安く、車検も2年、自賠責も高くなかったので節税登録の基本でした。しかし、自動車税は高くなり、保険会社も任意保険の引き受けが厳しくなり、キャンピングキットの搭載の煩わしさもあるところに、ノウハウが確立されて3ナンバーが取れるようになったので2000年くらいからかなり減りました。更にキャンピング車の基準が変わり、ポップアップルーフや本気でキャンピング車として製作された車でもない限り、実質的にキャンピング登録ができなくなりました。現在は当社では仕入れ時に8ナンバーの車は全て3ナンバーに変更して販売することにしています。他車で8ナンバーのまま購入されて、車検で持ち込まれる際はキャンピングキットにご注意ください。ベッドやシンクが積んであればいいというものではなく、乗車定員に対応した就寝面積が必要です。

 最後に、特殊なものとして4ナンバーがありますが、これはオーバーフェンダーを外し、それでもはみ出さない細いホイールとタイヤを履き、ローダウンしてやることで可能となります。4ナンバーは3ナンバーと1ナンバーのメリットだけがあるようなものなのですが、4ナンバーを取った後で元に戻してしまえば、レンジの4名1ナンバーと同様に違法です。そのままでまともに車検が通せる車ではありません。これも、維持費が安いという謳い文句につられて購入してしまうと、後で手間がかかりますので気を付けなければいけません。