スイベルグリス

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 これはギヤオイル潤滑時代のクラシックレンジのスイベルピンハウジングです。グリス潤滑のものと違い、フィラー(緑)だけではなく、量を確認するためのレベル(赤)と、入替できるようにドレン(黄色)があります。
 スイベルオイルの規定量は0.35リットル。規定量入れると。赤線のレベルのところまでになります。
この規定量はグリス潤滑になっても同じで、純正・社外共に、ほとんどの専用グリスは1本が規定量で売られていて、オーバーホールして完全に空の状態の場合に、片側に1本入れればいいようになっています。
 
 このスイベルグリスを枯らしてしまうのは論外ですが、入れ過ぎにも注意してください。無理をすれば片側に2本以上入ってしまうと思いますが、入れ過ぎてもいいことはないどころか、あまりに多すぎればシールを傷めて漏れを誘発してしまったり、グリスがデフ側に流れ込んでしまったりします。つい先日も、シールもスイベルも状態が悪くなさそうなのに、漏れが酷いものをオーバーホールしたら、ハウジング内にグリスがギッシリ詰まっていました。
 グリスの場合、スイベル(球の方)とシールの状態が良くて漏れが無いのなら、補充するのは1年に1回くらいで十分だと思います。走行距離が少ないのならもっと少なくてもいいかもしれません。オイルと違ってグリスはまとわりつきますので、余程のことが無い限りは潤滑不足にはなりません。それよりも入れ過ぎによるトラブルの方が怖いです。もちろん、漏れているならその限りではありませんので、予算などの関係で、漏れているのを承知でスイベルのオーバーホールを見送っているなら、漏れる量に応じてしっかり補充してください。それから、補充しなくてもとりあえずフィラーを開けて覗き込んで、水の侵入や錆などが無いかは見ておいた方が良いと思います。