試乗について

中古車を紹介したついでに、ちょっと書いておきたいと思います。

中古車を購入する前には必ず試乗するべきだ、試乗しなければ買ってはいけない、なんて書いてあるのを時々見ます。理想を言えば確かにそうなのですが、現実的にはそうもいかないことの方が多いです。

試乗ができない理由としては以下の通りです。


1 車検が無い。
 
 車検が無ければ公道は走れません。ネットには当然のように「仮ナンバーを用意してもらって試乗しよう」なんて書いてあるのを見かけますが、仮ナンバーで試乗というのは違法行為です。昔は仮ナンバーや他の車のナンバー(!)でコッソリ試乗させるお店も多かったですが、コンプライアンスが重視される昨今、まともなお店はそんなことしません。万一そんなことをして、SNSで仮ナンバーで試乗したなんて書かれたら大変なことになるので、やってるところは流石に少なくなったんじゃないでしょうか。昔とは時代が違うのです。

2 当社への名義が終わっていない。

 買い取ってしばらくは書類の準備待ちだったり、車庫証明の手配などで前オーナー様名義のままになっています。そのまま試乗して万一事故が起きると、前オーナーさんにご迷惑がかかるので、試乗不可です。そして、1とも関連するのですが、当社はNOX・PM規制地域にありますので、不適合車を車検がある状態で当社の名義にすることができません。不適合車は車検の残りがもったいなくても抹消せざるを得ませんので、不適合車の場合は基本的には試乗ができないということになってしまいます。適合車の場合は当社名義にできるのですが、ご存知のように適合車で、しかも売れ筋の仕様、価格帯の車は、当社名義にするまでにほぼ売れてしまいます。


3 保険が無い
 
 新車販売店の試乗車と違って、商品車には任意保険はかけられません。車検があれば社用車扱いにしてかかけることもできますが、上記のように車検ありで試乗できる状態の車がほとんどありませんし、コスト的にも無理があります。そんな費用をかけるくらいなら販売価格を下げるか、一個でも多くの部品を予防的に交換します。
 さて、万一、保険のかかっていない中古車に試乗中に事故が発生してしまったらどうなるでしょう。お客様の保険の他車運転特約なども使えるかもしれませんが、仮ナンバーで違法に試乗していたとなれば、おそらく適用はされないと思います。しかも、他車運転特約には保険会社によって色々な制限がありますので、試乗していた中古車の修理代が全て賄えるとは限りません。以前にも書きましたが、ディフェンダーの外装修理費は大変に高額です。また、修復歴が付いてしまった場合は、その価値の減額分も請求させていただかなくてはならなくなります。このように、中古車の試乗を許可するということは、お客様に大きなリスクを背負わせることになるのです。もし試乗できる店があれば、事故が起こったときに修理費用は誰の負担になるのか、確認することをお勧めします。

 そういうわけですので、基本的には中古車は試乗できないものだと思っていただいた方がいいと思います。試乗にこだわり過ぎると、良い車を買い損ねてしまうかもしれません。他店で試乗できるところがあったとしても、今時、仮ナンバーで試乗させるような店や、名義変更していない車を他人に運転させる店があるとすれば、そんな店は本当に大丈夫でしょうか?そのあたりのことをよく考えられて、試乗をするかどうかを決めるべきだと思います。