ディフェンダー 全塗装

 全塗装を希望される方は多いのですが、全塗装はずっと作業待ちになっていて、新規の予約はスムーズに消化できておおよそ1年後の着手です。作業ペースとしては1台1ヶ月の予定を組んでいます。

 もし鈑金塗装スタッフ総出で、その車1台だけに集中して作業をすれば、最短で1台10日間くらいで仕上げることもできるとは思うのですが、そうすると他の作業が全くできません。
 当社はディフェンダー専門店ではありませんし、70年近く営業しており、カーコンビニ倶楽部もやっていますので、普通の車の修理もたくさん入ります。むしろそちらの方が台数は多いです。そういうのをこなしながらやっていると、どうしても1ヶ月に1台くらいのペースになってしまいます。
 また、全塗装はかなり作業スペースを占拠してしまいますので、広くない当社では同時に何台も作業するということもできまん。本当は同時並行で何台も作業できると効率もいいのですが、現状では1台終わらせて次、というやり方になっています。

 それから、最初に、「スムーズに消化できて」と書きましたが、実はスムーズに行かない場合も多いです。これはバラしたら錆が酷かったという車自体の問題の場合もありますが、何よりも、全塗装以外に、そのまま乗っていることができないような酷い事故の修理が入ると、さすがに「予約を入れて順番を待ってもらって1年後に」というわけにもいかないので、そちらを優先して作業せざるを得ません。そうしているうちに遅れてしまっています。 

 これだけ全塗装の要望が多く、自社でこなせなければ、外注さんを使うのが普通なのですが、それも考え物です。

 理由としては、まずは価格の問題です。全塗装は費用も作業内容も工場によって大きく異なるのですが、当社が現在行っている内容で同じくらいの価格で仕上げてくれる工場はなかなか無いと思います。外注さんに依頼するとなれば、今よりも価格を最低でも2~3割は上げなければならないと思います。

 それから、技術的な問題もあります。これは当社の技術がすごいと言っているわけでもないですし、外注さんが劣るというわけでもありません。優劣というわけではないのですが、当社にはずっとディフェンダーの全塗装をやってきて、積み重ねてきたノウハウがあります。ここはこういう順番で作業した方が仕上がりが良いとか、ここはマスキングでは絶対にダメとか、個々にはかなり細かいですが、それが積み重なると仕上がりの差として現れる類のものです。このノウハウを全て伝えるというのが難しいのです。相手も職人さんですので、あまり細かいことを指示されるのも良い気分ではないでしょう。

 しかし、最近の全塗装予約の消化の遅れを見ていると、そんなことを言っていられなくなりました。大破とまでは行かなくても、中破と言える修理が立て続けに入ってきます。そこで、先週、一般車の鈑金を依頼する外注さんに相談したところ、やってみるというお返事をいただきました。ただし、お客様の車で試してもらうわけにもいかないので、在庫の中古車でお願いしました。

少し前に紹介したこれです。

イメージ 1



 ● 90なので110よりは少しは楽。
 ● 錆が少なく初めてでも作業しやすい。
 ● 凹み、傷、色褪せなどが多いので、全塗装して綺麗にしたかった。

ということで、これを選びました。
内装などもきれいにする予定です。

できれば10月末のイベント間に合わせたいと思っています。