ランドローバー車 ディーゼルエンジン三代トラブルレポート

トラブルの記録が溜まってきたので一挙に報告します。

 

まずはTdi
車種 
クラシックレンジTdi

 

症状
高速走行中に突然パワーダウン。
その後サービスエリアまではアイドリング状態で何とか自走でき、しばらくすると回復。
しかし、また走行すれば症状が発生。

 

原因
インタークーラーホースの内壁がはがれ、内側に吸い寄せられて吸気を妨げていた。
アイドリングや低速走行時には発生せず、高回転になると発生。
ニュートラルでの空ぶかしでは過給がスムーズで、逆にホースは押し広げられるので症状は出ない。

 

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始めて見る症状で、原因診断に苦労しました。
ホースが劣化して柔らかくなっていると交換するのですが、このホースはまだしっかりしていて、内側だけの問題でした。
写真の潰れている上側のホースが原因ではありません。下側のホース内が詰る事によってインタークーラー内が真空になって上が潰れるのです。エンジンを停止したり、アイドリング状態でしばらく放置するとこの潰れが戻って、回復します。



次はTd5
車種
ディフェンダー110 Td5

 

症状
エンジン音異常

 

原因
エキゾーストパイプからの排気漏れ & エンジンマウント劣化

 

 先日買い取ってきた商品車ですが、引取りのときにお客さまが「ディフェンダーはエンジン音がうるさくて」と言われました。
そのときは「そうですよね」と普通に返しましたが、Td5なのでそうでもないはずです。確かにガソリン車とは比べるべくもありませんが、正規輸入車なので内装もしっかりしていて、どちらかと言うと「意外と静かなんだ」と言われる事の方が多いのです。しかし、引き取ったあと試運転などしてみると、確かにおかしいのです。ボボボボというような音と、なんとも言えない嫌な振動があります。多分、知らない人ならこんなものだと思われてしまうような程度のものですが、どうにも気になり色々調べました。
まず発見したのが、排気漏れ。フロントパイプのこの蛇腹の部分に亀裂が入っていました。これがボボボボの原因です。

 

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これで解決だと思われましたが、まだ振動が残ってしまいました。各所点検しても原因らしきところが見当たらないので、試しにエンジンマウントを交換してみました。

 

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これが正解。見事に振動は消えました。エンジンマウントがヘタっている車は結構あります。
信号待ちしてると変な横揺れが出るような車もありました。多くの場合、徐々に劣化していくのでオーナーさんは気が付かない事も多いのです。



最後はTDCi
車種 ディフェンダー110 TDCi

 

症状
エンジンオイル漏れ

 

原因 ウォーターポンプ バキュームポンプ ガスケット劣化

 

新型も登場から5年経ち、そろそろトラブルが出始めるようです。
漏れていたのはこちら。
 
追記 この時はガスケットでしたが、バキュームポンプ本体から漏れることの方が多いようですので、バキュームポンプごとの交換をお勧めします。

 

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上下にプーリが付いた部品が並んでいますが、上がバキュームポンプ、下がウォーターポンプです。
エンジンオイルがこの2つの中を通じているトンネルを通って循環しているようです。

 

ウォーターポンプとバキュームポンプの間

 

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エンジンとウォーターポンプの間

 

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この2点から漏れているようです。
このガスケットを交換です。Fordって書いてありますね。

 

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それにしても変わった構造です。
このエンジンにも徐々に慣れていかないといけませんね。