雨対策、その2

ディフェンダーの雨漏りに関しては以前書きましたが、もう一つ雨に関する不具合(というより仕様?)で、雨が降っているときにフロントドアを開けると室内に水が浸入するというのがあります。

今回はこの問題への対策の依頼がありましたので、色々検証してみました。
雨樋を上から見た写真です。(作業前の写真を撮らなかったので新車のものです)

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一応樋にはなっていますが、溝が浅く水流をフロントガラス側に十分導けず、壁を越えてしまいドアの方に流れ込みます。
対策としては、①フロントに行った水がサイドに回らないようにすること、②樋の排水効率を良くすることの2点です。

まず、①の対策としてピラーに沿ってアクリル板で壁を作ることを考えました。しかし、大きな板を貼り付けるのは格好よくありません。かといって小さいと効果はあまりなさそうです。
次にアルミの角パイプを加工してこんなものを作ってみました。

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計画通りパイプに水は流れ込み、フロント側に流れていくものの、水量が多いとパイプの入り口を乗り越えてしまった水がパイプを通った水と合流しサイドに戻ってしまいます。排水効率も改善せず、樋の前側からも壁を乗り越えてしまいます。

樋の設計としては、後部から樋を伝って流れてきた水が90度曲がってフロント側へ流れるので、ここでカーブの壁を越えてしまいます。どうやら①よりも②の方が重要のようなので、まずフロントガラスへ流れる道を少し削りました。流れは改善しましたが、やはり水量が多ければ壁を越えます。水流が曲がることに根本的な原因があるようなので、曲げずに「落とす」ことにして樋に穴を開けました。穴周辺も少し掘り下げ相対的に壁も高くなります。これで排水効率が飛躍的に上がって、ほとんどカーブの壁を乗り越えなくなりました。

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ただ、このまま水を落としたのでは全部がドアの方に回り込むだけなので、先程の角パイプで樋を作ります。

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水を流してみると、思惑通り水はパイプを通って下へ流れます。また、計算していませんでしたがパイプの排水能力を超えてフロントガラスの方へ流れていった水も、パイプが壁の役割になり、ドアの方には行きません。

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仕上がりも四角いディフェンダーに角パイプですので違和感なく、指摘されなければ気付かないほどです。

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