部分塗装

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 無事、京都への納車も終わって一安心しています。
 それにしても京都南部の発展振りはスゴイの一言。高速道路は縦横に走ってるわ、山と田んぼだったところにドカンと街が出現してるわ、驚きっぱなしでした。京都~奈良~大阪の移動はかなり便利になっているみたいですね。話題のガソリン税はこんなところに使われているのでしょうか。そんな中、2年間過ごしたアパートは築20年ほどになった今も変わらずあって、ほっとしました。

 さて、今日は塗装のお話です。この写真は車検で入庫されたお客様のお車ですが、ボンネットが典型的な部分塗装が劣化した状態になっていたので撮影させていただきました。

 当店はカーコンビニ倶楽部に加盟していますので、傷の修理をされるお客様がたくさん来店されます。その中で、本当に小さな傷の修理の依頼もよくあります。例えばボンネットの飛び石傷のような直径1mmくらいの傷です。そういう修理の見積をすると、「こんな小さな傷なのに何でそんなに高いんだ」と怒られることがあります。「傷の周りだけちょっと塗ってくれればいい」といわれることが多いですが、基本的にはお断りしています。将来的に塗装しないほうがマシという状態になるのが分かりきっているからです。

 現在の車の塗装の多くは2コート以上です。色の層の上に透明のクリアー層というツヤの層があります。この透明の層の切れ目をボカシ目といいます。クリア層を、ボンネットならボンネット全体に塗装しなければ必ずどこかにボカシ目ができることになります。写真の白く浮き出ている線がボカシ目です。塗装してしばらくはよく見ないと分からないくらいですが、だんだん劣化して見えるようになってきます。特に、ボンネットや天井・トランクなどの水平面は直射日光、雨水、鉄粉などの影響を受けやすく、劣化が早いです。その中でもボンネットはエンジンの熱もあるので、最も劣化しやすい部分です。そこで部分塗装をしてしまうと、いずれ写真のような状態になります。こうなっても磨いてやれば一時的に目立たなくはなりますが、またしばらくすれば出てきます。

 もちろんこういう方法なら、作業時間は半分以下ですので、修理代も安く済みます。お客様もすぐには気付かないでしょうから、その場では満足されるでしょう。しかし・・・

 この方法がいけないわけではありません。これで4~5万取っているのならボッタクリですが、1~2万なら良心的かもしれません。大事なのは、数年後にこういう状態になる可能性があることを理解してもらっているかどうかです。

 鈑金塗装に出すときはぜひ業者さんに色々聞いてみてください。
一口に直すといっても、塗装する範囲とか、関連する部品をどこまで取り外すかなど、店によって内容はかなり違うのです。当然それによって仕上がりや金額も違ってきます。金額だけで決めてしまうと、後で嫌な思いをしてしまうかもしれません。