中古車の保証について

 中古車販売前の整備は、購入された方が乗られていく上で当面の間、少なくとも2年後の次回車検まではエンジンオイル程度の消耗品の交換以外の費用がかからないことを目指しています。

 しかし、どれだけ気を付けて整備しても、突発的な故障を完全に防ぐことはできませんし、納車前の試運転もほとんどできませんから、走行しなければ分からない不具合や特定状況下でしか発生しない症状の不具合というのは発見できないこともあります。(仮ナンバーでの試運転は違法です)

 それから、特に最近多いのですが、部品の品質問題です。交換した部品が不良品ということが増えているのです。これは純正品を使っておけば間違いないというわけでもなく、純正品の供給メーカーが変わったことで不良品が多発し、OEM扱いの過去の供給メーカーの社外品の方が品質が良いということも往々にしてあります。その逆に、安くて品質が良いと思っていた社外品メーカーのものが、急にトラブルを多発するようになるということもありました。この辺りは日々情報をアップデートしておりますが、それでもトラブルは発生します。納車前に大量の部品を交換する当社では、かえってこういうトラブルに当たる可能性は高くなってしまっているとも言えます。

 こういうトラブルに対応するために、当社では短いですが、3ヶ月、3000kmの保証を付けて販売しています。この間に発生した不具合は、機能に影響ないような微量の漏れ、滲み、異音、雨漏りといったもの以外は、消耗品まで全て対応しております。保証期間中に壊れたら、修理代がどれだけかかろうとも、修理させていただきます。

 ただし、保証を受けるには条件があります。基本的には当社への車両持ち込み、当社での作業が条件となります。また、当社へのレッカー費用、引き取り・納車費用・代車費用等は負担いたしません。もちろん、持ち込んでいただければ、空きがある限りは当社の代車はお出しいたしますが、例えば、何かが壊れて地元の修理工場へレッカーで持ち込んで修理を受け、レンタカーを手配して、その費用を当社に負担しろということはお断りします。例外として、確実に故障部品が特定できた場合、その部品は無償提供させていただきますが、遠方の方が地元の修理工場さんやディーラーさんで修理される場合は、その工賃は自己負担していただく必要があります。つまり、当社に気軽に入庫できないような遠方の方が購入されるのはリスクがあることになります。

 ディフェンダーは何年か前まで良くも悪くも一部特殊な趣味の方が好まれる車で、上記のような内容はあえて説明するまでもなく覚悟している方だけが買われる車でした。購入されるのは、言っていただければ明らかに保証対象で無償修理できたのに、「こんなの当り前だと思って」ということで、気にせず乗られてしまったり、自分で(自腹で)修理されてしまったりされるような方ばかりでした。しかし、最近の人気や露出過多で、今までディーラーさん等で新車や認定中古車しか買われたことが無いのだろうなというような方からの問い合わせが非常に多くなっています。価格的にもそういう車になってしまったということなのかもしれません。でも、実際には車は古くなって、走行距離も多くなっているので、納車前に行わなければならない整備も増えていますし、突発的に壊れるリスクも大きくなっています。

 納車前整備はオイルや消耗品を交換するだけで、ドカンと利益を乗せて販売し、保証期間中に壊れたら、どんなに遠くても納車引き取りして、レンタカーも提供するというようなやり方をされる販売店さんもあるでしょうが、当社はそうではありません。
逆に、一切の保証はせず、その代り安く販売するという販売店さんもあると思います。それは悪いことではありません。それぞれの価格、売り方、保証内容がありますので、購入する車の価格がそれに見合っているかを考える必要があります。

 購入したことを後悔するというようなことにはなって欲しくはありませんので、購入を検討される方は、こういうことしっかり理解した上で、お願いしたいと思います。