ディフェンダー 内外装全塗装

2010年もあと1週間となりまして、年内納車の作業に追われています。
今回からご紹介するのは、今月の頭から作業している110です。他店で現状で購入されて、車検と全塗装をご依頼いただきました。

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元色はモンテカルロブルー。希少色、ストレートな言い方をすれば不人気色です。そのため、比較的安く購入できたそうです。悪い色ではないんですけどね。

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全然ディフェンダーを知らない一般のお客様は、これを見て「きれいな車だねぇ」と言われる方が多かったです。しかし、お客様の希望はアルルブルー。もっと落ち着いた青です。

 さて、まずは車検です。走行距離も少ないこともあり、一般的な消耗品の交換が殆どですが、一点だけ問題がありました。

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ハブからのオイル漏れ。スタブアクスルシールの不良です。デフオイルがハブまで回ってきてしまいます。ディフェンダーを専門店以外で購入された方、又は車検を専門店以外でされている方はご注意を。一般整備工場では、ガタがなければ車検や点検でここを開けるところは少ないと思います。おそらくディーラーでも見ているのかどうか疑問です。ずっとディーラーで車検を受けてきていても、ここを開けた形跡がない車は何台も見ました。確かにフランジボルトは時々折れるし(折れるとボルトの除去が大変)、下手に触って壊すのは怖いので、一般工場で触りたくないのは仕方ないです。しかし、少なくとも年に一回程度はここを開けて、中のグリスの状態、フランジとシャフトのスプラインの具合を確認してみるのは必須だと思います。近くにディフェンダーに詳しい整備工場もなく、一般工場でメンテナンスを受けている方は、車検や点検の際には「ハブを開けてみてください」と注文してみてください。
 また、中古車を買われる際は、納車整備費用などの名目で計上されている諸費用の中身が何なのか、必ず確認してください。どんな整備をするのか、何の部品を交換してくれるのか。数万円もの費用を取って、やるのは素通しの車検、点検とエンジンオイル交換だけなんてところもよくあります。

話がそれてしまいましたので、作業紹介に戻ります。
車検自体は滞りなく終わり、次は全塗装です。思えば、10月から月1台ペースで全塗装をしています。現場はお疲れ気味ですが、実は1月にも既に1台予約済みですので、がんばってもらいましょう。

今回の全塗装は色替えです。前回は色替えでも外装だけの作業でしたが、今回は内側も塗装します。ディフェンダーは内側も塗装しようとすると、難易度が跳ね上がります。
普通の車は、全塗装時の内側塗装と言えば、ドアの縁とピラーくらいでしょうか。しかし、ディフェンダーに乗って室内を見渡せば分かるのですが、各所にボディー色が顔を出しています。だから、普通に使っていて元色が見えないようにしようとすると、こうなって

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こうなって

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こういうことになるわけです。

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 この写真で大変そうと思われるかもしれませんが、内装部品を取るのはそれほどの手間ではありません。曲者はホイールハウスの上に見える両面テープ。カーペットを貼り付けるためのものですが、これがとにかく取れません。
こんなとこにも。

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このテープを剥がすだけで、部品を取り外す作業の倍以上の時間がかかります。しかも、プロでも素人でも作業スピードに殆ど差がありません。ひたすら根気よく擦り取るしかありません。一応薬品もあるのですが、ほんの少し効率が上がるくらいで、決定的ではありません。これが一瞬で取れてしまう薬品があればと、心底思います。

内側と並行して外側も手を入れます。車は大きな凹みもなく、エクボを拾って直す程度でしたが、ルーフの塗装がかなりヤレていましたので、削り落として全面にサフェーサー処理です。

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どうも、ランドローバー車メタリック色は弱い気がします。ボンネットやルーフ、ウイングトップなどの、水平面のパネルは剥げてきている車が多いです。この車に関しては、どうやらルーフを再塗装してあって、その下処理が悪かったというのもありそうですが。

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これで下準備は完成です。次回は塗装に入ります。