納車前整備

明日は関東方面に車の引き取りに行く予定だったのですが、それが相手先の都合により急遽延期となり、それならばと予約した神戸での釣りも天候のせいで流れてしまいました。これは休めという事でしょう。このところあまり休めていなかったので、丁度いいかもしれません。良く考えたら、月曜日の夜まで神戸で釣りをして、火曜日の明け方帰ってきて一日普通に仕事をして、水曜日に先述の引取りで関東へというのは、さすがに辛かったかもしれません。

 それから、私は8月末に数年振りに体重計に乗ってみてショックを受け、ダイエットを開始しました。現在、この2ヶ月半ほどで-12kgまできています。最近やっと成果が外見に表れてきたようですが、ブログに忙しい忙しいと書いていたせいか、お客様に心配していただく事がよくあります。病気とか過労などではありませんので、ご心配なく。無駄な肉がなくなったせいで、体は良く動くし、体調は良好です。とは言いつつも、まだやっと標準体型にさしかかったところですので、もうちょっとがんばります。

 さて、先月からの忙しさはまだまだ続いています。特に売約済みの中古車の仕上げに追われる毎日です。当社は中古車の販売時に、整備費用といった類の諸費用をいただきません。中古車販売店にしては結構珍しい事のようです。これは、普通に安心して乗れるようにする整備までは車両価格に含まれるべきだという考えがあるからです。そうじゃなければ、極端な話、車両価格250万円、整備費用50万円なんていう値付けも許されてしまい、表示されている車両価格なんかどうでもよくなってしまいます。

 整備費用50万円なんて、と思うかもしれませんが決して珍しくはありません。当社が納車前に行う整備に全て定価で値段をつけていくと、それくらいになることも多いのです。しかも、当社の価格での定価ですので、ディーラーさんの工賃、純正部品代で計算すればさらに倍ってこともあり得ます。

一例ですが、この車は10万kmを越えていましたが、一度もハブを開けて点検された形跡がありませんでした。案の定、フランジが固着してしまっていて取れません。苦労して何とか取ると、中はこんな感じ。

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スイベルグリスはどこへ行ったのでしょう。
こんな中から出てきたCVジョイントは恐ろしい状態です。交換するしかありません。

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スイベルピンアッパーキットとロワのベアリングもダメでしたので交換です。

結局この車は四輪のハブ、フロントスイベルオーバーホール、ブレーキディスク四輪交換、前後ブレーキパッド交換、リヤドライブシャフト、ドライブアクスルフランジ交換ということになりました。

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その他にも動きが悪かったワイパーモーターと、悪くなっていたエアフロも交換しましたし、少し弱っていたバッテリーも交換しました。
これに加えて、納車前の基本整備として、ファンベルト、エアエレメント、燃料フィルタ、エンジンオイル、オイルフィルタ、遠心分離フィルタ、デフオイル、ミッションオイル、トランスファオイル、冷却水、クラッチマスタシリンダ、スレーブシリンダ、フロントガラスゴム、アルパインウインドウゴムの交換、下回防錆塗装は基本的にどの車にも行っています。

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写真は別車

これで下手な少走行の車よりも良い状態になるでしょう。

それから、これは先日納車した別の車ですが、このように最終仕上げとして全ての車に雨漏り対策のコーキングも行っています。

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 ただし、ここまでやっても、ごく稀にしか発生しない不具合を発見できなかったり、不運にも納車直後に壊れてしまうという事もありますので、そういう場合は保証にて対応させていただいています。保証期間は3ヶ月と長くはありませんが、保証切れ前には無料点検をして、お客様が気付いていなくても、悪いところが見つかれば対応しています。

 こんな感じで、当社で販売している車は、同じ価格でも一般の中古車販売店で売られているのとは価値が違うと思っていただいて結構です。なんだか自慢のようですが、しっかりした専門店や知識のあるお店なら当然やっていることだと思います。時々、距離や色々な理由で他の専門店さんで購入されたお客様が入庫される事がありますが、流石にしっかり整備されてると思うことも多いです。逆に、何だこれはってこともありますが・・・。
 何だこれはっていうのでは、読まれている方も多いと思いますが、某専門店さんのブログに最近登場する並行のクラシックレンジなんか、酷いものですよね。中古並行車の整備で苦労した身としては、他人事には思えません。あれの購入先も専門店を名乗っているのだから・・・。
 当社も同じような価格で中古並行のクラシックレンジTdiや、90年代のディフェンダーをイギリスから持って来て何台か販売しましたが、その価格では正直利益なんかありませんでした。自社で、整備、鈑金塗装、部品の輸入まで全て行うから何とか赤字にならなくて済むというくらいです。それでもやはり変な車は売りたくはないので、どんなに割に合わなくても最低限機関部分はしっかり仕上げます。これを読んで、中古並行はヤバイから買わない方がいいとは思わないでください。ディフェンダーレンジローバーも、ランドローバー車は適切に手を入れれば必ず復活します。20万km走った中古並行でも、しっかり整備してやれば、下手に国内で無整備のまま乗られてしまっていた走行距離が少ないだけの正規輸入車などよりも良い車にできます。
ディフェンダーやクラシックレンジの中古車を選ばれるときは、走行距離が少ないほど良い、新しい方が良いという国産車の常識は忘れて検討していただければと思います。