集中ロック+キーレス

今まで、2001年までの旧型バックドアの集中ロック化は不可能だと思われてきましたが、今回はそれにチャレンジです。

こちらは、2002年以降の新車から集中ロックがついているバックドアです。滑車で力の方向を変えて、ドア中央のアクチュエーターで駆動しています。

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そして、こちらは同じ年式で、集中ロック無しの車に後から集中ロックを付けたものです。2002年以降の車なら、社外のキットを純正と同じような取付方法で取り付けることができます。

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しかし2001年までの車はそうはいきません。
まず第一に、ドアの内張りがベニヤ板でできていて、モーターやロックリンクを仕込むスペースがありません。
そして、百歩譲って、その辺りが剥きだしで良いとしてもまだまだ問題があります。
そもそもドアハンドルが、集中ロックに対応するように作られていないのです。

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左が新型の集中ロック有車用、右が旧型で当然集中ロックは無しです。
旧型はロックリンクが出ていない上に、出る穴もありません。

ちなみに新型にも集中ロック無車がありますが、そのハンドルは生産年式によって種類があり、穴が開いていて内部にリンクロッドの取り付け部があるものと、穴が開いているだけのものがあります。2002年以降の集中ロック無車に集中ロックを後付する場合、ハンドル内部に取付部があるタイプは、純正のリンクロッドと同じ太さの金属棒を取り付ければ、OKです。取り付け部が無い場合は、残念ながらハンドルごと集中ロック有車用に交換する必要があります。現在新品で集中ロック無し用のバックドアハンドルを注文すると、穴が開いているだけで取付部が無いタイプになるようです。

さて、話を戻します。
旧型車のハンドルにロックリンクが無いなら、新型車の集中ロック有車用のドアハンドルに交換してしまえば良いのではないかと思うかもしれませんが、これがそうもいきません。上の写真をもう一度見てください。キーシリンダー取付部の筒の太さが違います。さらに、旧型はキーシリンダーが筒のかなり手前に付くようになっているのに対し、新型は奥の方にあります。
新型のバックドアハンドルを旧型ドアに取り付けるためにはどうするかですが、まずは、ドアの穴を広げるというのがあります。ただしこの場合、筒が外に飛び出します。それは良いとしても、旧型の鍵を見ていただけると分かるのですが、鍵の細い部分が短く、筒の奥の方にあるキーシリンダーに届きません。これは却下です。
今回はもう一つのシンプルな方法を採りました。「切る」です。

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こうなると、キーシリンダーは使えませんので、蓋をしてしまいます。

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バックドアは外からは鍵で開けられなくなりますが、キーレスがあるから不便は無いですし、普通に考えればそんな車はたくさんあります。
集中ロックが壊れたときも中からは開けられますので、問題ありません。

そして、アクチュエーターの取り付け位置はここ。

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最終的にはカバーを作って取り付けます。これで何とか旧型ドアの集中ロック化に成功です。

キー関係のお話としてもう一点。
110の正規輸入車は集中ロックは付いていますが、キーレスはありません。これに社外品のキーレスキットを付けられている方も多いと思います。
しかし、実は正規Td5には作動していませんが、純正セキュリティが内蔵されているので、純正キーレスリモコンを用意して、専用コンピュータで同期させてやるだけで、配線要らずでキーレスになってしまうのです。私はこれを最近知りました。よく考えれば、キーレスを管理してるのはセキュリティECUであることと、セキュリティが入っている事は知っていたのですから、もっと早く気付かなければいけなかったんですけどね。

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しかし、なぜキーレス一個標準装備にしないかな?せめてオプションとしてカタログにでも載せておけば、新車を買った人はかなりの割合で付けただろうに・・・。というか、ディーラーさん自体、これができること知らないところが多いようです。

というわけで、正規輸入車の方はご来店いただければ、その場でキーレス化可能です。