ディフェンダー110 ダブルキャブピックアップ 限定車 全塗装レポート(1)

正規輸入国内50台限定のディフェンダーBLACKです。

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1年半近く前に予約いただいていました。全塗装は1ヶ月1台を目安に予約を入れていただいているのですが、中には状態が悪く数ヶ月の時間がかかる車もありますし、大きな事故車の修理の依頼があれば、それを後回しにする訳にはいかないので、予約はあくまでも順番待ちということでしかありません。
ちょうど、その頃から前回レポートしたレンジやもう一台のレストアレンジ、並行輸入の中古車の110のように非常に時間のかかる作業や、大きな事故修理が連続してしまいまして、遅れ遅れになり、やっと今回入庫いただけるようになりました。

状態としてはあまり良くありませんでした。積雪地域の車のため、腐食が多いのと、どうやら過去にかなり大規模な修復がされているようですが、それが適切とは言えない方法で行われているので、そこから不具合が出てしまっているようでした。

その最たるものがルーフパネルです。外から見ると思い切り分厚くパテが盛られていて、それがひび割れています。どういう事だろうかと、ルーフライニングを剥がして内側から確認してみて驚きました。ルーフが四角く大きく切り取られ、それをFRPのシート(ボード?)で塞いであります。

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その段差を、外側からルーフのほぼ全体にパテを入れて隠しているのです。しかも、パテが割れ、水が浸入することでルーフライニングが湿って変形し、カビも発生してしまっています。これは非常に厄介な状態だと思いました。

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本来ならルーフパネルを交換したいところです。しかし、念のため調べてみましたが、ステーションワゴンだけでなく、ダブルキャブ用のルーフも高騰してしまい、100万円オーバーです。ちょっと交換できる価格ではありません。
サンルーフの穴を埋めた方式でアルミ板を貼って埋めるか、パテを剥がしたところでそれが不可能な状態なら今と同じようにFRPで埋めるしかないかもしれません。
https://asahimotors.hatenablog.com/entry/37160122

補修跡は左右のクォーターパネルにも。

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おそらく大きく凹ませたものをルーフと同様大量にパテを盛って直してあり、それが劣化してひび割れしてきてしまっています。
アルミパネルでもある程度は鈑金できるのですが、やはりあまり大きく歪んでしまうと完全には直せませんので、綺麗に見せようとすればパテを厚盛りするしかありません。しかし、パテを厚盛りすれば、このようにどうしても割れてしまう可能性が高くなります。予算や技術的なことなど、事情は色々あるかと思いますが、クォーターが一定以上凹んでしまった場合は、できる限り交換をお勧めします。ただ、今回はさすがに予算的なものもあり、できるだけ鈑金を手直しし、パテを少なくして修正することにしました。


その他、各ドアやフロアパネルなど各所に錆がありますので、その辺りを直しながらの全塗装になります。

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既に全塗装の範囲を超えて若干レストアの領域に入りつつあるかもしれません。
錆については、雪国の車はフレームについては皆さん結構しっかり防錆をされているので、あまり問題が無いことが多いのですが、ドアやフロア等の普通の車ではなかなかそこまで防錆を行わないという箇所は錆が進行してしまっている車がよく見られます。その辺りにも対策する方法はありますので、予防しておきたいという方は車検などの際にご相談ください。

では、次回から作業開始です。