雨漏り

最近雨漏り対策の相談を受けることが多いです。
どうも、「ディフェンダー 雨漏り」で検索すると、このブログが一番最初に引っかかるようで・・・

現在も90の雨漏り対策の車をお預かりしています。
まずは荷台の雨漏り。大雨の日にカーペットが濡れていたということです。こういう場合、一番怪しいのはクォーターのリベットですが、水をかけて確認してもそれは無いようです。更にかけていくと見つけました。クォーターガラスが犯人です。ディフェンダーのクォーターガラスはスライド式ですので、構造上隙間からどうしても多少の水は入りますが、スライドレールの下部には水抜き穴があり、入った水は抜けるようになっています。しかし、フェルトのパッキンのヘタリで入る水の量が多過ぎたり、水抜き穴が詰まったりするとレール内側の壁を越えて、室内にこぼれていってしまいます。
この車もガラスとルーフの間辺りに、最大出力で水をかけると僅かに溢れていきます。大雨が降ったときになったということですので、おそらく同じような状況だったのでしょう。
ここでふと、先日のガルウイングの取り付けを思い出しました。よく考えるとガルウイングを取り付けた2003年の車はレール内側の壁が高かったのです。おかげでこれを削ったりして取り付けの手間がかかったのですが、大量の水が入っても室内に溢れないように改良されているようです。



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 ここからの漏れの対策ですが、レールと排水穴を掃除して水の抜けを良くするか、フェルトを新品に交換して入る水の量を少なくすることです。フェルト交換はガラスのガタつきなども抑えられますが、費用がかかる割には水が入らなくなるわけではないので根本解決にはなりません。一番良いのはアッセンブリでガラスごと壁が高くなった部品に交換してしまうことですが、更に費用がかかります。左右やれば10万円オーバーです。
 ここから水が室内にこぼれるような状況は、かなりの集中豪雨か、洗車の際に水を直撃させた場合くらいのものですので、費用対効果を考えれば、排水をよくするほうが現実的だとは思います。今回もエアガンと綿棒で掃除しておきました。


さて、もう一点よく相談を受けるのが、フロントドアの前の上の角から水が垂れてくるというものです。
ここから漏れはドアのウェザストリップを疑いがちですが実は違います。よく見るとこの水は車外からではなく、車内から垂れてきています。

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ちょっと分かりづらいかもしれませんが、これは先日ルーフ交換した車の写真です。

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ルーフのどこかから浸入した水はルーフのサイドのフレームの上に溜まります。この溜まった水が車が動き出して、ブレーキを踏んだときに慣性の法則で一気に前方に流れ出し、ドアの角から出て室内に落ちるのです。

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つまり、ここから水が入る(というよりも出てくる)ということは、ここから上の部分全てに漏れが発生している可能性があることになります。
代表的なところでは、ルーフパネルの継ぎ目、サンルーフ、ロールケージ、ルーフの雨どいのひび割れなどのシールをチェックする必要があります。一番良いのは、トリムを全て剥がしてどこから入っているか目視で確認することですが、かなりの手間(=工賃)になります。特に90はリヤシートやトリム、ロールケージ、サンルーフを外さなければいけません。また、工賃のことは置いておいても、十数年たった車のサンルーフを脱着するというのは、ボディとの当たりが変わって新たな漏れを発生させてしまうことにもなりかねません。それからルーフトリムの垂れをサンルーフが押さえていることもあるので、一度外すと元に戻らなくなってしまうこともあるのです。
そんなわけで今回はトリムの脱着無しで作業しています。侵入箇所が一発で分かればいいのですが、今回は苦戦中。コーキングしては水をかけての繰り返しです。