ブレーキパッドガタつき音防止キット

走行中のアクセルのオン・オフ、停車からの発進時などにリヤの方でコンッという打音が出るという方はいないでしょか?
これの原因としては、ショックアブソーバー(ブッシュ)、足回り、特にAアーム(サスペンションアッパリンク)のボールジョイント、リヤのフランジとドライブシャフトのスプラインのガタ、デフのバックラッシュなど、様々な原因が考えられます。これ以外の原因で、意外と知られていないのが、リヤのブレーキパッドです。
110のリヤのブレーキパッドはキャリパーの中で上下に少し動きます。ブレーキパッドとディスクローターはブレーキを踏んでいない時でも軽く接触しています。このせいで、加速時や発進時にパッドがディスクローターの回転に引っ張られて上方向に動き、キャリパーに当たって「コンッ」という打音が出ることがあります。経験上、パッド交換直後でローターとパッドが馴染んでいない時に起こりやすい気がします。特に、パッド交換のみでローターの交換や研磨をしなかった時にはよく発生する気がします。音がするだけで特に何かの不具合を引き起こすわけではないですし、馴染めば消えることも多いので、今まで問題にしていなかったのですが、以前テクニカルブリティンという不具合や苦情の情報の資料を読んでいた時に、これについて書かれているものを見つけて、対策部品が出ているのを知って取り寄せておきました。それ以来、この症状の出る車が入庫するのを待っていたのですが、本日やっと試すことができました。

部品はこれです。キャリパーの中でパッドが動かないように抑えるスプリングになっています。

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これでリヤ2輪分です。フロント用もあります。

取り付けるとこうなります。

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結果は良好。パッドはキャリパーの中で動かなくなりました。当然、打音も無くなりました。

この不具合情報には、発生する年式は2007年モデル以降と書かれていますが、ブレーキの部品や機構はそれ以前の車も同じなので、当然古い車でも発生します。フロントはベンチタイプのローターの車種はTdi以降は全車共通部品なので使えると思います。
110用のリヤは2002年以降のパッドは2007年以降と共通ですので使えます。2001年以前も使えるかどうかは未確認です。
90のリヤは発生しないと書かれています。110のようにはキャリパーの中で動かない構造だったかもしれません。

この音は故障ではありませんし、放置しても問題はありませんが、気になるという方は対処できますので、お問い合わせください。もっとも、同じような音は冒頭に書いたような原因でも発生します。それらの中で、特にスプラインの摩耗などは放置すると走行不能になりますので、気になる音がするようでしたら一度点検することをお勧めします。


以下、テクニカルブリティンの内容です。ディスクローターの回転に引っ張られるようなことは書いてありませんが、音の発生する仕組みは同じだと思います。

以下のどちらかあるいは両方の状況下で、単発のノック音やガタつき音がフロントブレーキから聞こえると顧客から苦情を受ける ことがある。

1. 前方走行中に初めてブレーキペダルを踏んだときにノック音/ガタつき音が聞こえ、ペダルから足を離し再び踏むとノック音/ ガタつき音が消える。

2. ブレーキペダルから足を離した状態で、でこぼこ道を走行するとサスペンションが移動し、ノック音/ガタつき音が聞こえる。

原因:フットブレーキを踏んだり、あらゆる地形で車両を運転するにあたってブレーキが結合しないようにするために設けたブレーキキャリパとパッド間の遊びを超えるようなでこぼこ道を走行したりする時、ブレーキパッドが上方向に動いて音が発生する。